How to be a Gentleman

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第36回
継承

皆様には、お健やかな新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。

今年は「巳(み)年」です。「巳」には、「実を結ぶ」という意味もあるようです。また、人々の「才を引っ張る」役目を巳様が持っているようです。
ぜひ、今年は皆様が素晴らしい才能を引き出し、実りある年になりますよう、お祈り申し上げます。
また、今年の「巳年」にちなみ、今後も引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

さて、本年最初のテーマは、「継承」。
継承には、「財産・地位・権利・義務・仕事などを受け継ぐこと」という意味がありますが、今回はこの「継承」に関するエピソードをご紹介したいと思います。


「How to be a Lady & Gentleman」の教室や研修などでも使用しているカトラリーの中の一つ、「Arthur Price of England」は、「ロイヤル・ワラント」が与えられている、英国にある老舗の銀食器店の一つです。

「ロイヤル・ワラント」とは、「英国王室御用達」のことで、初のワラントはヘンリー2世が1155年に認可したものだそうです。ワラントを英国の王室に定期的に物品やサービスを収める企業や個人に与えられると、英国王室御用達の紋章を掲げることができます。
このワラントは、一度与えられるとずっと掲げ続けられるものではなく、5年ごとに更新されます。よって、中には更新時にワラントが奪われる場合もあるわけです。

「Arthur Price of England」は創業以来、創業者のポリシーである“高品質・価値に見合った価格・高質なサービス”を守り続け、1977年にはエリザベス女王から、1988年にはチャールズ皇太子からロイヤル・ワラントを賜わった、英国で唯一2つのワラントを授けられた銀食器店です。

さて私がこの商品を購入した際、品質も店員のサービスも良かったことはもちろん、「梱包したのは○○です」と梱包した人の名前が書かれたカードが箱の中に入っていたことにも大変感動しました。
それは、この商品に関わる人ひとりひとりがプロ意識と責任感を持った仕事をしていることの表れで、ロイヤル・ワラントを守り続けていく気概が感じられたと共に、考えさせられるものもありました。

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