藤井寛子のおもてなし塾

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第5回
部屋の入り方と出方

さてここで、具体的な入退室のマナーについて解説します。
部屋に入るときは、まず相手に入室の許可を得てから静かに入ります。これは、和室・洋室に限らず、心得ておきましょう。

≪洋室≫
1.ドアをノックをして、「どうぞ」と返事があるまで待ちます。
2.ノブに近い方の手でドアを開け、体がある程度相手に見える程度のところで止めます。ノブから手を離して一礼し、「失礼いたします」と声をかけて入室します。
3.部屋に足を踏み入れたら、中にいる人に背中を向けないように、ノブに近い方の手でドアを抑えながら静かに閉めます。

≪和室≫
1.和室の場合は、ふすまや障子をノックする必要はありません。中に人がいるときは、ふすまや障子に対して正面に正座し、「失礼します」と声をかけ、軽くお辞儀をします。
2.「どうぞ」と返事が返ってきたら、ふすまや障子に近い方の手を引手にかけて、5センチほど開けます。
3.ふすまの場合は、引手から手を離し、下から30センチほど上の縁に手をかけ、静かにふすまを開けます。障子の場合は、引手をそのまま引いて開けます。
4.ふすまや障子を開けたら、正座し、中にいる人に軽くお辞儀をします。
5.部屋の中に入るときは、両手の指を内側に曲げて、5本の指で体を支えながら、ひざをにじるようにして入室します。
6.入室したら、ふすまや障子に対して、体の向きを斜めにします。ふすまの場合はふすまに近い方の手で下から30センチ程の縁に手をかけて引き寄せ、残り5センチのところで止めます。障子の場合は、引手に手をかけ、閉めます。
7.最後は引手に手をかけて、音がしないように静かに閉めます。

ライフスタイルが洋風になってしまった現代では、畳のある和室も少なくなり、ふすまの正しい開け閉めなどについて学ぶチャンスも少なくなってきていますが、改まった席は和室の場合もあります。
正しい作法を身につけていれば、周囲に好印象を与えるだけでなく、あなたの評価もアップするはずです。

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