外国人に日本語を教えてみませんか!

バックナンバー

第4回
日本語教育能力検定試験にチャレンジしよう!

日本語教育能力検定試験の実施状況(受験者数/合格率など)

さて、日本語教師として働くための早道となる検定合格ですが、プロの日本語教師として必要な知識を備えている証明となるわけですから、誰でも、簡単にパスできるものではありません。気になる合格率は、昨年(2011年)度は応募者7,034人で、受験者は5,732人。その内、1,527人が合格したので、26.6%となります。数年前までは、20%前後の合格率で推移していたので、若干受かりやすくなったと言えるかもしれませんが、まだ4人に1人の割合です。なお、例年、合格最低点は発表されていませんが、240点満点中で170点、つまり70%の正答率を目指せば、ほぼ合格ラインに達することができると言えます。

私は、8年前のアテネ五輪の年に、何とか合格しましたが、その前年の挑戦では落ちています。その失敗と成功から感じたのは、「がんばれば受かる。しかし、適当にやったら落ちる」ということです。試験範囲が広いので、付け焼刃では絶対に歯が立ちませんが、適切な教材を使って、じっくりと取り組めば、独習でも合格は勝ち取れる試験だという意味です。難易度は決して低くはありませんが、「司法試験」「公認会計士試験」などのような、何年もかけて、受験に専念しなければ受からないわけではありません。「NAFL日本語教師養成プログラム」という通信講座や日本語教育の専門情報誌の編集者として、これまで、多くの受験生に接してきましたが、合格に必要な学習期間は、短い人で3カ月、平均で5、6カ月程度のようです。

先ほど、試験範囲が広いと書きましたが、日本語の文法から教授法、言語学や異文化コミュニケーションや音声学など、幅広い分野の勉強が必要となります。出題数も多く、聴解試験を含む3部構成で、計240分(4時間)の長時間で行われます。ただし、勉強する内容は、外国語としての「日本語」や日本文化や異文化コミュニケーションに教育理論など、知的好奇心に満ちた楽しい体験になります。

なお、検定試験の「実施要項」や「出題範囲」などを全て書いていくと、かなりのページ数が必要となってしまいます。詳細は、主催団体の日本国際教育支援協会の公式サイト」(*)をご確認ください。

コメント