外国人に日本語を教えてみませんか!

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第14回
日本語教育能力検定試験にチャレンジしよう!

試験Ⅰは、90分で100点満点となります。日本語教師として知っておくべき基礎知識を広く問う問題が5択か4択問題で全100問出題されます。

では、ここで、試験Ⅰの問題1の模擬問題で腕試ししてみましょう。これは、通称「仲間外れ問題」と呼ばれ、昨年度試験では15問出題されています。

次の【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを、それぞれ1~5の中から一つずつ選べ。

問題1【ら抜きことば】

1 ここから、スカイツリータワーが見れるよ。
2 風邪を引いたため、まだ仕事に出れない。
3 フルマラソンなら3時間を切るタイムで走れる。
4 朝からステーキなんて食べれない。

問題2 【「と」の用法】

1 妻と約束する。
2 ライバルと握手する。
3 一郎と結婚する。
4 雪子と絶交する。

問題3 【複合名詞の成り立ち】

1 契約延長
2 書籍検索
3 地震予知
4 経営破綻

問題4 【謙譲語】

1 お目にかかる
2 参る
3 ご案内する
4 伺う

問題5 【変音現象】

1 春風
2 本棚
3 西日
4 草花

さあ、早速、答え合わせをしましょう。

問題1 3のみ適切な使い方です。「~ない」を付けたとき、「ない」の前の音がア段以外になる動詞には「られる」を付けると見分けられます。「見る→見ない」「出る→出ない」「食べる→食べない」に対し、3のみ「走る→走らない」となります。

問題2 1のみ一方的な動作の相手を示します。「妻に約束する」のように「に」と言い換えられます。

問題3 4の「経営破綻」のみ「~が~する」形となり、それ以外は「~を~する」形となります。

問題4 2は話し手が専ら自らを低める謙譲語ですが、それ以外は話し手が相手を高めることにより自らを低める謙譲語です。

問題5 1の「春風」は「はるかぜ」と読み、連濁とはなりません。他は、「たな→だな」「ひ→び」「はな→ばな」と連濁となっています。

さて、答え合わせの結果は、いかがでしたか? ちょっと意地悪な問題だなと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、出題傾向に慣れれば、解けるようになります。今回、できなくても気にしないでくださいね。

それでは、続けて、試験ⅡとⅢについて、紹介しますね。

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