江戸の名残を歩く

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第37回
上野で大名屋敷の面影を訪ねる

アーケードを歩いていくと、頭上に垂れ幕が掛かっていることに気づきます。佐竹家や秋田の歴史を歩きながら学べるようになっているのです。

商店街内の垂れ幕
商店街の終わり

佐竹商店街は南北に長いのが特徴です。幕府から佐竹家が拝領した土地が縦長だったためですが、アーケードの下を南に向かって10分近く歩き続けると、やがて蔵前橋通りに突き当たります。蔵前橋通りを5分ほど歩いて、道を南に取ると上野忍岡高校のグランドが見えてきます。

江戸の頃、この界隈には現在の長崎県に領地を持っていた平戸藩松浦家の屋敷がありました。佐竹家とは違って上屋敷ではなく、別荘としての役割を持つ下屋敷でした。広さは2600坪ありました。この大名屋敷内には、かつて蓬莱園と名付けられた名園がありました。屋敷内には殿様の観賞用として、あるいは他の殿様を接待するために庭園が造成されるのが普通でしたが、この蓬莱園は数ある大名庭園のなかでも評判の名園だったそうです。

忍岡高校内に残る大イチョウ

しかし、この庭園も明治維新そして関東大震災により荒廃してしまいます。現在、庭園の名残を伝えてくれるのは、巨大な大イチョウの木のみになってしまいました。

下谷地域には寺町だけでなく、大名屋敷、大名庭園としての面影も残されているのです。

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