人はなぜ『道』を探すのか?庭道への道

バックナンバー

第1回
京都・東寺の「不二桜」

「春だ、京都へ行こう!」今、CMでおなじみの東寺の「シダレザクラ」、素敵ですよね。

約5年半前の12月(平成17年)に三重鈴鹿の苗木屋の先輩に年末の挨拶に行った時のことです。

先輩から「来年(平成18年)の2月26日(大安)に京都の東寺(世界遺産)さんにあのシダレザクラを据えさせて頂くんやんか~、手伝いに来てくれへんか~!」

と声をかけられました。

「へえ?あのシダレザクラ、動くんですか~?」と僕。

「いや~、今、頭がいっぱいで東寺のシダレザクラのことしか考えられへんねん、でも嬉しいことやんか~、だから動かすんや~」と先輩。

僕は“ピピピーン”と何かを感じ取りました。

「是非とも喜んでお願い致します!」。

あれから約5年、今、僕はそのシダレザクラの下で手を合わせています。

樹齢約120年のシダレザクラが、昔は箱根山にしかなかったと云われていたこのサクラが、京の都で誰かの手に渡り、その後、岩手県盛岡の皇族家の庭で管理され、そして、今から約8年前に、三重鈴鹿の地に来ました。先輩が御縁あって自分の趣味として管理していたのです。それが、不思議とまた、この京の都へ戻って来たのです。5年前の2月26日(大安)早朝5時、鈴鹿から国道1号線をゆっくりゆっくりと動いてきました。今でも忘れません、朝から生ぬるい風が吹き、強風に変わり、風が止んだ途端にどしゃぶりの雨になった日の事を・・・。「凄い、凄い樹木だ~!」僕は5年間、3カ月に一度ずっと見続けてきました。東寺の桜「不二桜」と命名、縁あって出会ったこの「不二桜」、僕らとどっちが永生するか!対峙しながら見守り続けていきましょう!「へえ?何時からって~?」へへへ・・・「今から(fromNow)だよ!!」

 

コメント