人はなぜ『道』を探すのか?庭道への道

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第20回
生きる「技」

愛媛県松山市 鹿の島の空
松山城

二十四節気の寒露(かんろ)をこえて、霜降(そうこう)から11月7日の立冬(りっとう)へと移りゆき、もう11月22日は小雪(しょうせつ)じゃね~。秋の土用も終わりました。早かね~、早かね~。
これから、どんどん寒くなってきよるね。立冬が過ぎたころから、もう冬の気配がしよるもんよね。あと10日もすれば、遠くの山の頂に雪が見えてくる。
果樹園では、みかんが黄ばみ始めよるんよ。そうそう、おいしいみかんができるんよね~。
みかんの味は、同じ地域でも育て方や土の作り方の違いで全然違うもの。まさしく、みかん農家の方々の洗練された「技」がモノをいうんですな~。

労働者にとって一番大切なのは、現場である。労働者が現場で切磋琢磨(せっさたくま)してくれるから、会社や組織が成り立っている。みかん1つにしろ、色づかせるまでに農家の方々が農園という現場で日々「技」を磨きつつ、雨風や暑さ寒さと戦っている。

「技」には、2つの「技」がある。
ひとつは、責任というものとしっかり向き合い、己と闘いながら耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、磨き続ける「技」。
もうひとつは、いつも逃げ場所を探し、人や会社や銭に頼り、感謝や謙虚の心もなく依存することだけで進化しようとする「技」。
現代社会は、後者の「技」磨きに必死な人がなんと多いことか!この「技」磨きに疑問を感じている人も多いと思う。モノ作り大国「日本」に、「技」は2つもいらんがよ!!ひとつにまとめて頂きたいものじゃ~。

「技」を向上させるための人材育成には、時間や銭がた~くさんかかるもの。しかし、そこにかけるべき時間や銭を省こうとする社会や組織は、必ず崩れよるがよ。どの時代も「焦り」は失敗につながってきた。だってさ~、さっきも話したけど、現場や労働者が一番大切で一番必要なんだもの。その労働者が「技」を競い合うからこそ、おいしい「果実」が出来上がるんだよね~。そして、それが多くの人々に感動を与えるんだよね~。
みんなはそう思わんかね?誰もが似たようなことを、考えとるんじゃないかな。

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