お取り寄せからみたニッポン

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第1回
青森の津軽塗から生まれた「津軽うるおい漆」

カジュアルでかわいい、新しい漆器ブランド

この日本の伝統工芸品に、若く新しい動きが生まれている。青森・津軽塗の新しいブランド「津軽うるおい漆」がそれだ。

青森は漆の木の生育北限で、津軽地方で生産される津軽塗は300年以上の歴史を持つという。木地には、日本三大美林の一つとして有名な青森ヒバが用いられ、手間のかかる「研ぎ出し変わり塗り」という技法が特徴的。1873年(明治6年)のウィーン万国博覧会に、青森県が「津軽塗」という名称で出品したり、1975年(昭和50年)には、福島県の会津塗や石川県の輪島塗と並んで経済産業大臣指定伝統的工芸品にも選出されている。

「津軽うるおい漆」は、そうした伝統を持つ津軽塗の職人たちが、もっと漆器を身近に使ってもらおうと、シンプルでカジュアルな漆器を開発したもの。「艶のない質感」「凹凸があり持ちやすい」「気軽に使える」といった特徴があり、デザインの自由度も高い。価格は、従来の津軽塗の半額程度で、日常的に使える。

その技法で作られた小ぶりの椀が「津軽うるおい椀」。これまでのお椀よりもサイズが小さめで、女性の手にもスッポリ収まる。若い家族のテーブルで、スープやカフェ飯のような、洋食にも似合う。なにより漆器の存在感が、毎日の食卓を優しいものにしてくれる。

「津軽うるおい漆」の開発は、2008年(平成20年)からはじまった。県と組合が協力して、2009年(平成21年)にはパッケージデザインを(※)、2010年(平成22年)には器のデザイン案を公募するなど、大事に育てられつつある。創作集団や若手デザイナー、職人たちが積極的に参加して、個性的な製品も増えてきた。 漆器の良品は、捨てずに修理して、長く使い続けることができる。いまの時代、改めてその良さと味わいを見直したい。

(※)http://www.09works.net/jagda/

●青森県の伝統工芸品のページ
http://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/kensan/DENTO.html

●ホーム > 産業・雇用・労働 > 県産品・流通加工 > 青森県の伝統工芸品
津軽うるおい漆誕生!
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/shoko/kogyo/files/p9.10.A4.OL.pdf

「津軽うるおい漆」を販売するサイト

●イシオカ工芸
http://www.tsugarunuri.jp/

●イシオカ工芸の津軽うるおい椀のページ
http://www.tsugarunuri.jp/?cat=18

※購入は、各サイトの記載を確認の上、詳細をお問い合わせください。

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