お取り寄せからみたニッポン

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第6回
新潟県・燕三条生まれの美しい金属製品

挑戦する職人魂が宿るiPad専用金属ケース

武田金型製作所の「ARMOR for iPad」

そうした高度な技術と意欲的な開発姿勢が伺えるのが、今年の夏、話題をさらった金属製のiPad用ケース「iPad ARMOR」だ。ほとんどのiPad用カバーがプラスチックや皮革素材なのに対し、「iPad ARMOR」はアルミ製とチタン製。ほぼ同じ形状を見事にプレス成型して作られており、iPadの存在感を高めるカバーとなっている。特徴は、このiPadを際立たせる美しいフォルムと、合理的な両面着脱式。使う時は裏面に、カバンなどにしまう時はディスプレイ側につけることで、iPadを保護する構造だ。

「iPad ARMOR」を作っているのは、燕市西燕にある武田金型製作所。2010年ジャパン・ツバメカトラリー・ハウスウェアデザインコンクールで県知事賞を受賞し、2011年8月にはiPad 2対応モデルも発売した。
おもしろいのは、製造過程での悩みが、iPad自体の大きさの誤差、という話。出来上がったケースをはめると「こちらのiPadはシックリくるのにコチラのiPadはブカブカだ。」(同製作所のHPから)という事態が起きた。精密加工に優れる日本製品では考えられないことだが、実際に誤差があるのだからしょうがない。職人の意地で、手作業で一つひとつ修正。現在は、平均値をとって製造。使い始めは、脱着の際、ある程度、硬い抵抗が掛かるような調節を、あえて行っているという。

素材の金属も、4種類に挑戦したそうだ。一口に金属といっても、種類によって、重さや伸縮、強度に違いがある。軽くて柔らかいアルミなら、加工し易くコストも下がる。一方、高級感漂うチタンは、軽く鉄と同じくらいの強度があるが高価。そのほか、マグネシウムやジュラルミンでも製品化に挑戦しており、今後の展開が楽しみだ。

前述した出張販売でも、武田金型製作所同様、挑戦する気概に溢れた製品を多数見ることができる。切れ味の良い斜め刃のつめ切り、力点を高くし握り易さを追求した包丁、イオン効果で呑みくちがまろやかに変化する錫のタンブラーなどなど、日用品なのに見ていてワクワクしてくる。
こうした高い技術と、それに安住するだけでなく工夫や挑戦を続ける地域ブランドから、未来につながる新しい製品が生まれてくるに違いない。

●新潟県ホーム>商工業・産業立地>燕鎚起銅器(つばめついきどうき)
http://www.pref.niigata.lg.jp/sangyoshinko/1293144348999.html

●燕鎚起銅器 玉川堂
http://www.gyokusendo.com/

●燕三条地場産業振興センター
http://www.tsjiba.or.jp/

●武田金型製作所
http://www.tkd-mgn.com/

「ARMOR for iPad」
http://www.tkd-mgn.com/contents/ipadARMOR.html

楽天市場>名刺入れ専門店>「ARMOR for iPad2」購入ページ
http://item.rakuten.co.jp/cardcase-mgnet/c/0000000170/
アルミニウム製(約160g)6300円、チタニウム製(約270g)12600円

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