お取り寄せからみたニッポン

バックナンバー

第17回
静岡県・繊細な手仕事の駿河竹千筋細工

インテリアとしても楽しめる

竹ひごができあがったら、次に、幅のある竹を熱で曲げ、枠となるパーツを形作っていく。接続部は継ぎ目がわからないよう、斜めに切って接着剤でとめていく。各パーツが完成したら、ひごを通す穴を開け、その穴に竹ひごを差して組み立てていく。カーブした竹ひごを交差させたり、まっすぐ等間隔になるよう並べたり、細やかで丁寧な仕事が要求される。こうした一つ一つの段階それぞれを、きちんと丁寧に仕上げていくことが大切なのだそうだ。

駿河竹千筋細工の製品は、大別すると花器や菓子器、虫カゴ、風鈴といったものがある。照明や、手提げといった大ものも作られているが、虫かごのミニチュアや、虫かごに入れる虫なども竹細工で作られていて、そうしたおもちゃのような製品が、また楽しい。
虫かごも、四角いものから丸いもの、屋根部分も丸く膨らみをもたせた精密なものなど、それぞれの職人が工夫してさまざまな製品を作っている。

たかが虫に贅沢だという気もしないでもないが、竹の持つ乾いた色見や滑らかでしなやかな印象が、自然素材の豊さを感じさせてくれる。
こうした竹細工の虫かごには、どちらかというとキリギリスやクツワムシといった大きめの虫が似合う気がする。こぶりで繊細な竹カゴには、美しい鳴き声と透き通った淡い緑色の邯鄲(かんたん)なども似合う気がする。
テラスの鉢の露草の葉や、アイビーなどを組み合わせてみると、そのままインテリアとしてもなんとも美しい。
中に入れる虫はまだ見つかっていないが、自宅に届いた繊細な竹カゴが、一際、さわやかな秋の気配を届けたくれた気がする。

●静岡竹工芸共同組合
http://www.takesensuji.jp/

●手作り民芸工芸品 駿河屋
http://www.surugaya.com/index.html

●駿河竹千筋細工 みやび行灯
http://miyabiandon.shop-pro.jp/

コメント