お取り寄せからみたニッポン

バックナンバー

第10回
群馬県・七転び八起きの縁起だるま

願いを書き、目に墨を入れることで完成するだるま

この、自分の願いを明白に書き記し、目に墨を入れるといった手を加える作業が付随するのが、ほかの置物にないだるまの大きな特徴だ。

近年は、さまざまな色やスタイルのだるまや、新たにデザインだるまが作られるようになっているが、どのだるまもそうした特徴を生かしたものが多い。
合格祈願や就活だるまといったストレートなものから、マスコットやキャラクターとコラボした変わったデザインのものまであるが、願いを書き、成就したら目を入れるという部分は共通している。海外でも評判の高い、白黒のモノトーンが斬新なデザイナーズだるまにも目はない。かわいいネコの形を模したものであっても、目はあとで入れるのだ。

そうした点をみると、だるまが長く愛されてきた理由は、文字や目の墨といったものを書き加えることで、世界に一個だけのだるまとなり、そのたったひとつの願いの成就を、引き受けてくれるものだということがあるのだろう。
成就しなければ、だるまの目はいつまでも書き入れられない。願いの成就とともに完成する、自分の分身のようなものなのかもしれない。

少林山達磨寺の七草大祭だるま市は、毎年1月6・7日に開催されている。縁日には新年の初詣も兼ねて、20万人以上の参詣者でにぎわうという。だるまの露店が立ち並び、さまざまな大きさのだるまが売られている。たくさんの人々がたくさんの願いの成就を、たくさんのだるまに託すのだ。自分も、七転び八起きのだるまを自宅に飾り、不屈の精神で、日々、がんばってみたい。

●群馬県・高崎市のHP
http://www.city.takasaki.gunma.jp/

●少林山達磨寺のHP
http://www.daruma.or.jp/


●今井だるま店
デザイナーズシリーズ
http://www.imai-daruma.com/


●高崎だるま 真下輝永
http://www.mashimo-terunaga.com/

コメント