今さら聞けないワインの話

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第20回
安くて美味!ニューワールドワインのすすめー3(ケンゾーエステイト編)

この2つのワインももちろん素晴らしいのですが、私が個人的にかなり評価をしているのは「asatsuyu(あさつゆ)」です。こちらは、ケンゾーエステイトで作られる唯一の白ワインで、使用品種はソービニヨンブランなのですが、これが日本人に合う白なのです。と申しますのも、もともと私はソービニヨンブラン独特の青臭さが好かず、数種類の白ワインがあれば決して選ぶことのなかった品種なのです。ですが、この子(笑)はそれを覆したのです。

■「asatsuyu(あさつゆ)」との出会い

この子との出会いは、銀座の「鮨かねさか」さん。お寿司とワインのマリアージュが好きな私は、ワインリストを拝見し、すぐに「asatsuyu(あさつゆ)」をお願いしました。
しかしその時は、この子がソービニヨンブランということは知らず、ただケンゾーエステイトの白ということだけに気を取られ、また大将に勧めて頂いたためにオーダーしたのですが、一口飲んだだけで「これだ!」と思いました。
ネーミングの通り、凛(りん)とした朝の日差しを受けて輝く朝露のように、フレッシュでさわやかなクセのないソービニヨンブランだったのです。
私自身、ここまでソービニヨンブランに感動したことはありませんでしたし、おいしいと思ったこともほとんどありませんでした。これほど感動したことは、ソムリエになってから初めてだったかもしれません。
少しレモンを搾って頂く白身のお刺身や、生ガキ、焼き魚などにも本当に良く合います。
このときから、この子の大ファンになりました。

それ以降も、「asatsuyu(あさつゆ)」との出会いがありました。
ニューヨーク便に乗務していたとき、「がりのすし」のオーナーの方とお会いし、その際お店にご招待いただいたのです。そして、このお店のワインリストにもこの子が載っていたのです!
ニューヨーク、マンハッタンでもケンゾーエステイトを置いているお店はわずか3店舗だけとのことで、大変驚きました。
そのうちの1つに出会えたのも嬉しかったのですが、何よりニューヨークでお寿司とのマリアージュが楽しめたこと、そしてケンゾーさんのこだわりを実感できたことに喜びを感じたのです。そう、ケンゾーエステイトは、ケンゾーさんのOKが出ないと、お店に置けないのです!だからこそ、余計に価値を感じ、特別感が味わえたのかもしれません。

それ故、ワインリストを目にしたとき、ケンゾーエステイトがリストアップされていると嬉しくなりますし、自分が関わるお店のワインリストにもぜひリストアップさせて頂きたいと切に願うのです。もちろん、簡単なことではないことはわかっていますが…。
(こんな私でも、何店舗かのワインリスト作りに携わることがあるのです!)

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