今さら聞けないワインの話

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第8回
クリスマスとワイン

皆さんは、何歳までサンタクロースを信じていましたか?私は、恥ずかしながら中学2年生まで信じていました。今でもこの時期になると、幼い頃の良い思い出ばかりが思い出され、街中がクリスマス一色に彩られるとワクワクします。そして、「またサンタクロースが来てくれたらなあ…」なんて思ってしまいます(笑)。
そこで今回は、クリスマスにまつわるワインのお話をしましょう。

クリスマスのワインの代表といえば、イギリスの「マルトワイン」やドイツの「グリューワイン」などのホットワインが挙げられます。
私がイギリスにいた頃、この時期になると、ステイ先のグランマ(おばあちゃん)がマルトワインを作ってくれました。マルトワインとは、赤ワインにシナモンなどのスパイスと、オレンジやレモンなどの柑橘類とお砂糖を入れて煮たてた、体を温める飲みものです。グランマが高校生の私にマルトワインを差し出してくれた時は驚きましたが、アルコールが飛んでおり、子どもも飲んでいるのを見て、安心して口をつけたのを覚えています。

イギリスのクリスマスでは、人型のジンジャークッキーを飾り、クリスマスプディングを囲んでお祝いするのが主流です。そもそも、ドイツ発祥のクリスマスツリーがイギリスで飾られるようになったのは、ヴィクトリア女王がドイツ出身のアルバート公と結婚したことに由来し、クリスマスシーズンになるとイギリスの上流階級がこぞってツリーを飾ったことによって広まったといわれています。
ドイツでは、クリスマスオーナメントを売る屋台の周りで、グリューワインというホットワインが売られ、寒い中を歩き回る買い物客たちの体を温めてくれます。イギリスのホットワインも、もしかしたら同時期に伝わったのかもしれませんね。

日本でも、グリューワインを本場ドイツの雰囲気の中で楽しめる場所があります。それは、札幌で11月25日から12月24日まで行われる「ミュンヘン・クリスマス市 IN SAPPORO」の会場です。札幌市とミュンヘン市は姉妹都市として提携し、今年で30周年を迎えるとのこと。毎年、大通公園2丁目のホワイトイルミネーション会場では、ドイツならではのソーセージやザワークラウト、またビールやホットワインなどが売られ、美しいイルミネーションと共に楽しめます。また、ドイツ製のクリスマスオーナメントなども多く並び、札幌に居ながらにしてドイツを味わうことができるのです。
私も以前、この時期に札幌を訪れたことがありますが、全身冷えきったところでホカホカのグリューワインを飲み、懐かしさを感じると同時に心も体も癒されたことを思い出します。
皆さんもぜひ、機会がありましたら札幌まで足をお運びになり、本場のホットワインを召し上がってみてください。

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