今さら聞けないワインの話

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第9回
お屠蘇にスパークリングワインはいかが?

皆さんは毎年、どのような年越しをなさっていますか?
私たちは仕事柄、毎年どこで年越しになるかわかりません。ある時は機内だったり、ある時は常夏のメキシコだったり、またある時は極寒のモスクワだったり…。そして2012年は、ニューヨークで年を越すことになりそうです。といっても、タイムズスクエアにまで足を伸ばす余裕はなく、仕事に備えて睡眠を優先し、気づいたら年が明けてしまっていることでしょう。
学生時代は、テキーラ片手にカウントダウンをしたり、大勢で朝までパーティーをしたり、海で初日の出を拝んだりしたものです。今年は何年かぶりに、カウントダウンをしたいなぁ…なんて思っています。

各地のテーマパークやレストランなどでも、大々的に新年のカウントダウンパーティーを催していますよね。私が今、一番気になっているのは、アメリカ・カリフォルニア州のナパバレーを走る「ナパバレー ワイン トレイン」で行われるカウントダウンパーティーです。通常は、ナパとセントヘレナを時速30kmで3時間かけて走り、広大な景色を堪能しながらランチやディナーを楽しむレストラン兼列車なのですが、大晦日だけは、午後11時からパーティー会場へと姿を変え、キャビアとスパークリングワインがメインのカウントダウンパーティーを開催するのです。
オーパスワンなどの高級ワイン産地として有名なナパバレー。ワイントレインで出されるワインがどんなものなのか、かなり興味津々です。とはいえ、もし私が乗車したら、きっと景色を楽しむことも忘れ、ワイングラスを次々と空けてしまうことでしょう(笑)。ともあれ、いつか乗車できる日を、楽しみにしています。

年越しのために、とっておきのワインを開ける方もいらっしゃるでしょう。年代物の格付けワインでしょうか。マグナム(1500ml)のシャンパンを豪快に楽しみたいという方もいらっしゃるでしょうね。そして、年が明けたら日本酒、でしょうか…?

このコラムを読んでくださっている皆さん、2012年は、お屠蘇(とそ)にワインはいかがですか。
そもそもお屠蘇を飲む習慣は、中国から伝わったもので、山椒(さんしょう)、桔梗(ききょう)、ミカンの皮などの薬草をお酒に浸して飲んでいた漢方薬が発祥といわれており、寿命が延びる縁起の良いお酒として、一年が始まるお正月に飲まれるようになったそうです。
また、屠蘇には「一年の邪気を払い、人魂を蘇生(そせい)させる」という意味があるそうで、新年も素晴らしい一年になるようにとの願いを込めて口にするようになったのですね。
ということは、新年の幸せを願いながらなら、どんな飲み物を飲んでもいいのでは…?などと思った私。もちろん日本酒も良いのですが、せっかくですので、おせち料理に合うおいしい手ごろなスパークリングワインを2つご紹介いたしましょう。

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