ソムリエのつぶやき

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第2回
恐るべし!女性オーナー!

あるフランクフルト行きのフライトのファーストクラスで、シャンパーニュ好きのお客さまがいらっしゃいました。その方、その月は、毎日違うシャンパーニュを飲むことをテーマにしているとのこと。シャンパーニュ好きの私は、もちろん、その方のお話に興味津々!

当時、ファーストクラスに搭載されていたシャンパーニュは2種類。「サロン1999年」と、「ドン・ペリニヨン2002年」でした。それぞれタイプは違いますが、2種類とも素晴らしいシャンパーニュで、人気が高いので、シャンパーニュ好きのお客さまが多い満席のファーストクラスですと、搭載数ぎりぎりで提供することもあり、上空で、限られた数でやりくりしなければならず、苦慮することもあります。この日も、このお客さまが好んで召し上がっていたサロンが、残りわずか・・・。

「本当はヴーヴクリコが一番好きなんだよね。」とおっしゃった一言から、ファーストクラスのお客さまに申し訳ないのを承知で、当時、ビジネスクラスに搭載されていた「デュヴァル ルロワNV」をお勧めしてみました。だって、この子、ヴーヴクリコの生まれ変わりと言われているほど、評価が高く、ヴーヴクリコ同様、女性オーナーが作っていて、「女性的」「上品」「繊細」と言われている素晴らしい子だと知っていたのですもの!結果、ヴーヴクリコ好きのこのお客さまには、本当に喜んで頂くことができました!
この「デュヴァル ルロワ」はデュヴァル家とルロワ家の家族経営で、小さなメゾン(作り手)ですが、あの、「ジャックセロス」と並ぶ評価を得ているほどなのです!

このように、私が担当させて頂くお客さまには、マニュアル通りにお出ししないこともありますが、せっかくの一期一会ですので、機内で限りはありますが、一期一会ならではサービスをしたいと思っているのです!

この日、このお客さまに、絶賛して頂いた「デュヴァル ルロワ」。飲みたくて、飲みたくて、フランクフルトに着いてすぐに、デパートに行き、その日のうちに空けることは、この方にサービスしている時から決まっていたようでした!(笑)
長時間の仕事の後、素晴らしく、美しいシャンパーニュをたしなみ、心地良い眠りについたのは言うまでもありません。それは、「ディヴァル ルロワ」ならではだったのかもしれません!

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