『ものづくり』からできること

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第4回
美しいデザインの基本は「線」

逆にストレスのかかるアールを存在させ、その部分をあえて「キーポイント」として利用する方法がある。また、そのキーポイントには「重さ」が発生することも覚えておく必要がある。ここでいう「重さ」とは、全体像から見たバランスに影響する。最終的にモノというのはそれらの線の集合体であるわけだから、線のもつ「重さ」はデザインの良しあしに重要なファクターとなる。
少々話が前後するが、ジェットコースターのレールは美しい線の構成をもつものであり、仮に不自然な(美しくない)ライン構成は危険を想像した方がよいのである。
ボーリングのピン(回転体形状)やその他の線構成以外の造形物は、シルエットでそのラインの良しあしを判断する。

ここまで書いてきた線は、デザインにおいてとても重要なファクターであることを分かっていただきたい。形あるものすべてがこの線の構成であり、美しいデザインは美しい線の集合体によるものだと認識すべきである。
とくに先程、ジェットコースターのレールの「美」が安全性を意味していると記したが、それは航空界(飛行機体の設計、飛行方法:旋回術)、鉄道界(車両設計、レール角:アール)、自動車社会(車両設計、道路設計:計画)にとっても「美」は安全のバロメーターになっていることを忘れないで欲しい。

これまで点や線は二次元と言われてきたが、実は三次元の基本要素といえる。逆に二次元の世界は、人間の作り出した擬似空間を示すものだと解釈した方がよい。
モノを考えるときはぜひ、3Dでとらえたいものだ。

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