私が見つけたライフワーク(2)

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第5回
ツボミが名前の由来になっている花

『この花には、日本に何種類かの仲間がある。その仲間の一つが、庭好きで植物好きの人たちの目に留まったのか、新しい品種が作られた。日本では、庭木として植えられたり、実用として葉がトイレの紙替わりに使われたりしてはいたが、特に大事にされていたわけではなかった。また、花としても、桜や梅、藤、牡丹(ぼたん)、菊などと比べれば、文学や歌の主役に抜擢(ばってき)されるほどの目立つ存在ではなかった。

そのありふれて見慣れた花がある日、異人に連れられて海を渡った。時代は江戸後期のころであるという。その目立ってもいなかった花が、渡航先のヨーロッパで育てられ、交配を重ねた。いわゆる品種改良というもので、園芸植物として育てられ、別の花に生まれ変わった。
西洋人の眼から見たら、今までに無かったタイプの花で、珍しく、価値のある植物に思えたのだろう。そのうちに人気が出てきて、日本にも逆輸入されるようになった。現在では鉢植え植物の主役級に躍り出て、今でも人気の園芸植物として店頭を飾っている…』

[写真1]丸いツボミ

これはある花の歴史物語です。今回紹介する花もその仲間なんですが、少し変わっています。どこが変わっているかというと、まず写真1を見てください。どうです?まん丸いツボミなんです。

[写真2]ツボミの中にまたツボミが見えます

えっ?「丸いツボミなんて珍しくない!」ですって?確かにツボミは丸いのが普通で、珍しくないと思われるかもしれません。でも、ツボミが開きかけた写真2を見てください。ツボミの中からまたツボミのようなものが見えてきました。

[写真3]中にはツボミがいっぱいあります

もう少し開いたものを見てみましょう。写真3はツボミがいっぱいですね。もう分かる方もいるかもしれません。ここまで来ると、「庭に咲くもの」と同じようなツボミの感じになります。

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