私が見つけたライフワーク(2)

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第19回
我が国には草にも桜がある

サクラソウも少しだけ置いてあったので植えてみましたサクラソウも少しだけ置いてあったので植えてみました

サクラソウは結構昔から知られていたようで、江戸の時代には園芸品種改良が盛んになり、何百種もの新しい品種が作られたといわれます。
もっと古くは室町時代、興福寺大乗院の日記にも登場するそうです。文献に残っているということは、もっと以前から知られていた可能性は充分にあります。
しかし、枕草子にも源氏物語にも登場しません。清少納言も紫式部もサクラソウを見ていなかったのでしょうか?
室町時代の文献は1478年のころといい、しかもその辺で見たのではなく庭で育てていたという話ですから、そのころは特別な存在だったのかもしれません。よって、さらに500年ほどさかのぼる時代の清少納言や紫式部は多分見ていなかったのでしょう。
もしサクラソウを見ていたなら、どのような文を書いたのでしょうか?そんなことを考えるのも楽しいと思います。

サクラソウの自生地は少なく、絶滅危惧(ぐ)種(最近は保護活動の成果があったのか、ランクは一つ下がったようですが)に指定されています。
本物の自生するサクラソウを見るのはなかなか難しいですが、保護されていても咲き方や花の姿は同じように見られます。一度、見に出かけてみてください。
花粉は気になりますが、そのリスク分だけの価値はあります。一度見ればやみつきになること請け合いです。

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