ニリンソウはキンポウゲ科、トリカブトなどと親戚です。花は色も形もまるで違いますが、葉は独特な切れ込みがあり似ています。同じくキンポウゲ科のキクザキイチゲも花は違いますが葉にはやはり深い切れ込みがあり似ています。
ただ、似ている事で事故も起きています。キンポウゲ科には毒があるものが多く、実はニリンソウも少し毒があるのですが、茹でたりあくを抜いたりして毒抜きを行えば少量なら食べられるそうです。しかし、トリカブトは猛毒なのでニリンソウと間違えて食べた人が中毒を起こす事件がたびたび起きています。

ニリンソウの白い斑点

見分け方の一つにニリンソウの葉には白い斑点があると言うものがありますが、トリカブトにもよく見ると斑点(花期のものですが)があり、完全な違いではないようです。この白い斑点、その昔これは病気だと言われたこともありました。今は特徴の一つとして認識されていますが、確かに斑点がはっきりしているので、病的に感じたのかもしれません。

トリカブトや他の葉でも斑点があることも…

よく見ると斑点には規則性があります。ランダムでも平均的でもなく、切れ込みの付け根に限って見られるのです。
これはトリカブトも同じで、少し薄いものの斑点が同じ場所にあります。もしかして、と思って他の種類でも確認してみたら、切れ込みのあるもので、同じ所に斑点があるものが見つかりました。これはニリンソウ特有の斑点ではなく、切れ込みのある葉の共通的な特徴かもしれません。もっと多くを確認しないと何とも言えませんが、そうなら何か名前があってもいいような気がします。こう言う斑点にはどんな名前が良いのでしょうね?

ニリンソウの名は一箇所から2輪咲いているからとされますが、花の数はいろいろです。ただ、花をよく見ると、二輪の場合は先に一輪が咲き、遅れて低めにもう一輪が咲くので仲の良い連れ合いのようです。二輪草の歌のなかでも、次の花が少し遅れて咲く様子を歌っているので、二人連れの歌にふさわしい花だったのでしょう。
ニリンソウは毎年仲の良さで私たちを迎えてくれる、白い春の妖精らしい花だと思います。