ライターHの“デジモノ”放談

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第26回
「iPhone 5」は史上最高の大都市向きスマホだ!

9月21日にスマートフォンの代名詞ともいえる、米Appleの「iPhone 5」が発売された。筆者は海外から個人輸入したSIMフリー版iPhone 4Sを愛用してきたが、今回はSIMフリー版を諦め、国内(au)版の「iPhone 5」を購入することに決めた。以前のコラムでは、「次に発売するiPhoneもSIMフリー版を買う!」と断言していたのだが、方針を見直さなければいけなくなったのだ。理由は2つある。

最も大きかったのは、高速通信規格の「LTE」への対応だ。iPhone 5を国内発売するau(KDDI)とソフトバンクモバイルは、iPhone 5の発売と同時に、LTEによる通信サービスを開始した。まだ東京都内でも対応エリアは狭く、LTEでつながったり、つながらなかったりを繰り返すのだが、LTEで接続したときの通信速度は目を見張るものがある。

SIMフリーにこだわってきたが「iPhone 5」は国内版、なかでもテザリング機能に対応したau版を選んだ

発表前はiPhone 5もSIMフリー版を買い、NTTドコモのSIMカードを挿して使おうともくろんでいた。しかし、SIMカードのサイズが変わったほか、NTTドコモのLTEサービス「Xi」には対応しないことが分かり、断念するしかなかったのだ。

しかし後悔はしていない。実際、筆者が購入したau版のiPhone 5の場合、LTE接続時に受信(下り)の通信速度が20Mbpsを超えることもある。平均すると10Mbpsに満たないが、それでも混雑状況が一向に緩和されない3Gに比べると、圧倒的な速さだ。この速度を経験してしまうと、3GでしかつながらないSIMフリー版iPhone 4Sが遅くてたまらなくなる。

iPhone 5からSIMカードの形状が変わった。nano SIMと呼ばれるタイプで、従来のmicro SIMよりも一回り以上小さくなっている

速い・軽い・薄い・使いやすい! 4拍子がそろった

もちろん、このiPhone 5の速さは、LTEの恩恵だけではない。「A6」という最新CPUも大きいのだ。処理性能がiPhone 4Sの2倍という触れ込みも、使ってみると納得する。Webサイトを開く動作だけでも、処理性能が上がっているのが分かる。「データをWebサイトに置き換えています……」といった様子もなく、一瞬でWebサイトが開くのだ。キビキビとした動作は、実に気持ちいい。

またiPhone 5の特徴というと、液晶の縦横比が大画面テレビと同じ16対9に変わったことが挙げられる。実は個人的に懸念していたのが、この方針転換だった。横幅はそのまま、縦方向へと(画面内のアイコン一個分)大きくなる。縦長になることで、操作する指が画面の上から下まで届かないのではと、危惧していたのだ。しかし、操作のしやすさには人一倍こだわってきた米Apple。実際に手にしてみると、違和感なく使えている。

iPhone 4Sと比べると、縦方向に拡大したiPhone 5。画面サイズ(対角)は、3.5型から4型へと大きくなっている

縦長ということで懸念した操作感。しかし、実際にはさほど気にならず、快適に使えている

持った感じは縦長になった……というよりも、驚くほど軽く、薄いという印象の方が強いそして米Appleがこれから進む方向は、「薄くて軽く、通信の処理も速い端末だ」と、暗に主張しているのではないか思えるのだ。

というのは、アップル製品をほぼ発売日と同時に買ってきた筆者が「新しいiPad」だけは、未だに購入していないから。iPad 2よりも厚くて重さも増え、LTEも使えない。この現実にガッカリし、iPad 2を使い続けている。だがiPhone 5をみて、次に出てくるiPadはきっと薄くて軽く、LTEにも対応するだろうと期待が持てた。最近は一回り小さな「iPad mini」が発売されるのでは? という噂もでているが、どうなることか。こちらの動向も見逃せない。

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