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第11回
スマートな街はどこか?

《スマートシティに向けた取り組み》

スマートシティの考え方は前回お話した通りですが、さまざまな課題があるため、現在もまだ実験段階といった状況です。
しかし、近い将来、必ずこの「スマートグリッド」そして「スマートシティ」が広く実用化されることは間違いありません。日本はもちろん、世界を見渡しても、各国、各企業がこれをビジネスチャンスととらえ、取り組みを進めているのです。

日本では、2010年4月、神奈川県横浜市、愛知県豊田市、京都府けいはんな学研都市、福岡県北九州市の4地域が、経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証事業として選定され、マスタープラン(5カ年計画)も発表されました。
また、個別の取り組みとしては、神奈川県藤沢市辻堂元町のパナソニック藤沢工場跡地(約19ヘクタール)で、総工費600億円をかけ、1000世帯全戸に太陽光パネルと蓄電池を設置、その他省エネ機器・家電などを導入したスマートタウン構想が発表されました。夜間や停電時は、蓄電池にたまった電気を使うという、震災後の電力不足などにも対応できるものです。行政側としては、こうした取り組みにより、街の活性化にもつなげていこうというもくろみもあるようです。
この他、東芝では、市と共同して、2013年度より大阪府茨木市の東芝工場跡地(約18.5ヘクタール)を、スマートシティとして事業化する模様です。

こうした流れは非常に大事で、個々のマンションだけでなく、街のバリューを高める取り組みは、大きな意味を持ちます。これからマンションを選ぶ際は、こうした行政の取り組みや、大きなプロジェクトにも注目していく必要がありそうです。

《スマートシティの意義》

ここで忘れてはいけないことは、単純に、太陽光発電やエコ家電、電気自動車の導入などがスマートシティにつながるのではなく、それらが一体となって、効率的に運用され、サスティナブル(持続可能)な街や社会を形成することにつながっていかなければならないということです。日本では震災後、電力不足が問題化されたことにより、「省電力といえばスマートシティ」としてスマートシティをクローズアップしようとする流れがありますが、欧州など、国による電力の買い取り制度が進んだ国々では、もっと発展的にとらえられています。

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