フロム・ナウ的失敗しないマンション選び

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第32回
消費者にみる兆し

3.お金をかけてもこだわりたいポイント

この設問では、「駅から近いこと」「日照・採光」「住みやすい間取り」「日常の買い物が便利なこと」が上位1~4位を占めていることは変わらない一方で、「耐震性が高いこと」「災害に強いこと」といった回答が2011年以降急上昇し、上位を維持。
下位では、「マンション敷地内に駐車場が確保できること」や「眺望の良さ」を求める意見が上昇しました。
防災対策など安全性を求める意識が依然として高いのは、当然といえば当然ですね。
下位の部分に関しては、ここでも少しずつ消費者にゆとりが出てきていることが伺えます。これまでは「車はあきらめるから駐車場はいらない」といった消費者が主流でしたし、眺望に関しても価格の高さゆえ割り切る消費者が多かったのですが、より良いもの求める消費者が増えてきたということがいえます。

4.消費税引き上げの場合の購入意識

この設問では、消費税が「8%に上がる前に購入を前倒しする(24.1%)」と「10%に上がる前に購入を前倒しする(7.6%)」を合わせると全体の31.7%と、10人中3人が消費税引き上げに対して敏感に反応していることがわかりました。
また、「地価やその他要因も含め様子を見る」が37.7%、「購入時期にあまり影響はない」があ29.9%で、意識が強い人、様子を見ている人、気にしていない人がそれぞれほぼ同数であることがわかりました。
消費税引き上げの前にぜひとも買いたいという人が約32%いたことが多いのか少ないのかは判断できませんが、消費税引き上げがマンション購入への後押しになっている消費者が一定数存在することがわかります。


この「新築マンション購入意向者アンケート」の結果を通してわかることは、マンション購入希望者のマインドに確実な変化がみられるということです。
震災から2年経過したこと、消費税引き上げが目前に迫っていること、そしてアベノミクスといわれる経済政策が消費者に対して複合的にプラスの要因を与えているのでしょう。
消費税自体は来年4月1日に8%となりますが、マンションを買う場合、今年の9月末までに契約を完了させるか、平成26年3月末までに建物の引渡しを受ければ、消費税アップの影響を受けません。
ということは、増税前にマンション購入を前倒しすると回答した約32%の人たちは、今から約半年間で契約できるマンションを探し、購入に向けて動くということになります。市場には相当のプラスの影響を与えますよね。
さらに「より良いもの」を求める消費者の意識が見られますから、売主・管理会社・施工会社の信頼性、立地、周辺環境、採光、眺望、建物の耐震性、品質等、総合的により良いものが将来的にも資産価値を持ってくるという本来の姿に戻りつつあるのです。

今後は、懐具合だけ気にしてマンションを選ぶと、将来的に危険が伴う可能性があると感じます。
消費税にとらわれ過ぎず、良いものが見つからなければ勇気を持って見送るという判断も必要になってくるでしょう。

<参考>
第18回 新築分譲マンション購入に際しての意識調査2012年(MAJOR7)(PDF)
http://www.major7.net/pdf/trendlabo/research/018.pdf

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