フロム・ナウ流 有料老人ホームガイド

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第3回
シニア町内会 NARITA 公津の杜 ペットと一緒に暮らせるホーム

居室には専用庭付き 玄関脇には足洗い場も


『シニア町内会 NARITA 公津の杜』の外観

ペットを飼っている方のなかには、老人ホームへの入居を最初からあきらめている方も多いのではないでしょうか。なぜなら、「ペット可」のホームがほとんどないからです。

私も、犬と猫と暮らしております(飼っているという表現、好きではありません)が、本当に「家族」ですから、離れて暮らすなんて考えられません。よって、「ペット可」のホームでない限り、どんなに必要に迫られても入居なんてありえない…と思っていたわけです。

そんな折、取材にうかがったのが今回ご紹介する「シニア町内会 NARITA 公津の杜」でした。もう、小躍りしてしまいましたね。3階建ての1階に専用フロアがあり、ペットと暮らせる居室が12室もあるのです。

ペットと暮らせる居室には、
中庭に直接出られる部屋もあります

しかもそのうち5室は、ペットを気軽に外へ出せる専用庭付き。ホーム玄関の脇には、散歩帰りの足洗い場(シャワータイプ!)も完備されています。さらに、ペット同伴で入れる理美容サロン(毎月定期的に訪問美容師が来るそうです)や、天気のいい日にはペットと一緒にティータイムを楽しみたいと想像が広がる中庭など、よく考えられた施設になっており、「ここなら入居してもいいなぁ」と、空想してしまいました。

子ども同然のペットと一日でも長く生きていたい

ペットと同居しているご入居者のお話を伺いました。

ネコちゃんと同居している入居者は、根っからの猫好きさん。入居される前は何匹ものネコたちと暮らしていたそうです。

「でも腰が痛くなってきて、飼いきれなくなってしまったの。それで里親を探したんだけど、この子だけは片目が不自由なせいか預け先が見つからなくて…。じゃあ一緒に入れる施設をと、たくさん探したんだけどないのね。ようやくこちらのホームを見つけたときはホッとしました。」

キャットフードの買出しなども、「近くの大きなショッピングセンターまで送迎してもらえるのですごく便利」とうれしそう。不自由のない快適な生活は…

「自宅にいたときより幸せ」とニッコリしていました。


居室内は明るく広々。
ワンちゃんもゆったり寛いでいます

また、チワワと同居している入居者は、「ペットショップで一目ぼれして、この子を家族に迎え入れました。現在14歳ですが、私にとっては本当に子どものような存在です」と目を細めて教えてくれました。

ワンちゃんはお散歩が大好きで、散歩に行きたいときには、リードをくわえて懸命にアピールするそうです。一方いけないことをしたときには、「お鼻ピンピン」や「お耳ピンピン」と言って、指で弾く真似をするとちゃんといい子にしてくれるとのことで、かなりのおりこうさん。

何より、ご入居者とワンちゃんとの心の絆がしっかりと結ばれている様子が微笑ましく、胸を打たれます。

「こちらのホームは、ペットと一緒に暮らせるところを…と息子が探してくれました。今はこの子と二人の生活にも慣れ、のんびりした毎日を楽しんでいます。できればこのまま、一日でも長く生きたいという想いが一番大きいですね。この子を置いて逝くわけにはいきませんから」

愛おしそうに語る“おかあさん”をじっと見つめるワンちゃんの、信頼しきった瞳が忘れられません。

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