実例で学ぶ事業承継のポイント

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第7回
社員による事業承継~たたき上げ社員に社長業を伝授する~

今も続く「鬼軍曹」の特訓

社長は数年ほど掛けて、後継者を選びました。そして、副社長に指名し、教育していきました。オーナーもまだまだ現役で、鬼軍曹として次期社長を鍛え上げていくのでした。そして、社長10年目の年、そのバトンは3代目の社長に受け継がれました。この会社は、このバトンリレーを今後も続けていく方針です。オーナーの「鬼軍曹の特訓」も続いているとのことです。

この事例は、強固な師弟関係が、社員による事業承継を可能にしたことを示すものです。自分の会社に対する帰属意識が弱くなっている時代の趨勢からすると、他の企業が真似をするのは難しいかもしれません。しかし、社員に愛されるオーナー会社の特徴として、社員の心の底に、「自分を育ててくれ、暮らしを守ってくれたオーナーへの想い」があるのではないでしょうか。親族でなくとも、「心意気」を共有するにはどうしたらいいのか。社員に対して日頃の接し方が、肝要なファクターであると、私は考えています。

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