収納で人生を変えてみませんか?

バックナンバー

第9回
収納計画NO.5(寝室・クローゼット)

これまで、寝室の設計にも多く携わってきました。

お客様のご要望によくあるのは、寝室は少しでも広い方が、ゆったりと落ち着いた空間になるだろうから、とにかく寝室を広くしたいというもの。

この場合、ご夫婦の衣類や小物がすべて収まる大きさのクローゼットが用意できれば問題ないのですが、ほとんどの場合がそうではありません。寝室を広くする分、クローゼットが狭くなり、衣類をしまいきれなくなるのが目に見えるのです。

実際、タンスやハンガーポールなどがあふれ出て、安らぐどころか、雑多で落ち着いて眠れないだろうと思われる寝室もたくさん見てきました。

では、どのようにクローゼットの広さを決めればよいでしょう。

まず、あらかじめ「着る服」と「着ない服」に分け、「着ない服」は処分して「着る服」だけにしてください。そして、ご夫婦の「着る服」がどれだけあるかを把握します。

そして、「かけて収納する服」と「たたんで収納する服」があるので、まず、かけている服に使っているハンガーバーの長さをすべて測ります。現在と同等か、それ以上の長さのハンガーバーが引っ越し先で確保されていないと、引っ越した時点で「かけて収納する服」は収まりません。

このハンガーバーの長さを測ることは、建設業者もほとんど知らないですし、知っていてもあまり教えてくれません。

ちなみに、ハンガーバーの長さが足りるか足りないかは、設計図を見れば確認できます。もし足りなければ、着工前までに、今使用しているハンガーバーの長さを設計者に知らせ、設計内容を修正してもらいましょう。

なお、今後衣類が増えていくことを考えると、長めにしておく方がよいと思います。

では、「たたんで収納する服」はどのように収納すればよいでしょうか。

まず、お手持ちのタンスをそのまま運び入れるのか、クローゼットの中に「たたんで収納する服」もすべて収納するのかで、クローゼットの大きさが変わってきます。

タンスを運び入れるのであれば、寝室に置くことになると思いますが、なるべくクローゼットに近い位置に置くようにしましょう。一カ所ですべての着替えができると便利ですし、衣類の散乱を防ぐことにもなります。

クローゼットに「たたんで収納する服」を収納したい場合は、お手持ちのタンスなど、今収納している場所の体積を割り出してください。すると、「かけて収納する服」以外に、どれくらいのスペースを確保すればよいか、具体的な数字で分かるのです。

収納場所は、「何となく」といった感覚で決めてしまいがちですが、設計の段階から論理的に検証することが大切です。

コメント