写真家・秋野深のやさしい旅のフォトレッスン

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第22回
時には斜めの構図で変化をつけてみよう!

旅から帰ってきて、撮った写真をじっくり見返していたら、右下がりや左下がりで斜めになってしまった写真が結構あってガッカリ・・・という経験はないでしょうか。
水平ではなく、傾いて写ってしまった写真は、失敗例の典型のように語られがちです。もちろん、ご本人がきちんと水平に撮りたかったのであれば、斜めになってしまった写真は失敗なのかもしれません。ですが、写真は、どんな場合でも必ず水平に撮らなければいけない、斜めに撮ってはいけないなどという決まりはどこにもありません。実際に、雑誌や広告などで斜めに撮られた写真を見ることはありますよね。
今回は、いつも「斜めにならないように・・・」、「しっかり水平にカメラを構えて」と意識していらっしゃる方に、写真を撮る時に思い出していただきたいレッスンです。少し変化をつけることで、旅の写真のバリエーションを増やしていただけると思います。

■斜めは不自然?

私たちが肉眼でものを見ているとき、水平に見ているか、斜めに見ているかということは、それほど意識していないと思います。例えば、斜め上をなんとなく見上げたり、後ろを振り返ったりするときには、視界が少し斜めになっているはずです。そんな時に、左右の眼が常に水平になるように気を付けている人はおそらくいないですよね。
そう考えてみると、斜めにものを見ていることは、実は日常的にあることで、本来それほど不自然なことではないと思うのです。
写真が直線で囲まれている四角形なので、少し斜めに写っただけでも傾きが目立ちやすいということなのかもしれません。ですが、四角形であるからこそ、意図して斜めに写すことで変化をつけやすいともいえます。横や縦の構図の選択肢に、斜めの構図の選択肢も加われば、きっとご自身の写真の表現の幅は広がることでしょう。




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