荒野のエッセイスト(音楽編)

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第21回
オールディーズを考える。

オールディーズとは何か?
良い質問ですねェ。
でも、本当のところはだれにも分からない。
辞書によれば「OLDIE」は
①古くさいジョーク
②ひと昔前の映画・流行歌
一般的に使われているのは②の解釈にSを付けたものだが、
では「ひと昔前」とは具体的にいつのころのことか、
と尋ねられると、
僕もリンダも困っちゃう(①のジョークです、気を悪くなさらないように)。
「ひと昔」を辞書で調べてみると
「普通、今から十年くらい前」
とある。
これでは大分ズレがある。
僕にとってオールディーズとは半世紀ほど前の流行歌で、
十年前じゃ新曲に等しい。

オールディーズ原理主義者といわれ、
時にはオールディーズの生き字引、
時にはいびき爺い(曲を聴きながら眠ってしまうので)
と呼ばれる僕に言わせれば、
オールディーズとは1955年から1964年まで
(ビル・ヘイリーと彼のコメッツが「ロック・アラウンド・ザ・クロック」をヒットさせ、
ビートルズの新曲が全米のヒットチャートで1位から5位までを独占するまで)
の欧米の流行歌だけを指す。
ポール・アンカの「ダイアナ」で、ニール・セダカの「オー!キャロル」で
コニー・フランシスの「ボーイ・ハント」なのです。
例外はいっぱいあるけど……。
しかし、これはあくまで50~60年代のラジオのリクエスト番組にかじりつき、
映画「アメリカン・グラフィティ」にのめり込み、
オールディーズの匂いを嗅ぎ続けた男のたわごとでもある。

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