江戸の名残を歩く

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第28回
谷中で千代の富士に出会う

いよいよ、谷中編の最終回です。最後は、千代田線根津駅から谷中散歩をはじめることにします。

言問通りの店

根津駅から言問通りに出ます。坂をのぼっていくと、ここでも昭和の世界が蘇ってくるような店に出会えますが、しばらく歩くと再び寺町となります。最初に玉林寺の境内に入っていきましょう。

玉林寺

この寺院は、徳川家康が江戸に入った翌年の天正19年(1590年)に創建されました。本堂の後ろに聳える椎の樹木は、創建前から現在地に立っていたと伝えられています。高さは9.5メートル、幹回りは5.63メートルにも及びます。現在、天然記念物として東京都の指定文化財となっています。

千代の富士像

境内には、最近登場した記念碑があります。横綱千代の富士の銅像です。千代の富士の菩提寺という縁もあって、その銅像が境内に建立されました。平成23年(2011年)6月2日には、銅像の除幕式が執り行われています。

玉林寺を出て言問通りに戻り、再び道を東に取ります。
沿道には谷中の街らしく寺が続きますが、交差点まで出ると古い建物が立っています。不忍池の近くに下町風俗資料館の付設の展示場として一般公開されている、旧吉田屋酒店の建物です。
明治時代の酒屋の建物が移築されたのですが、江戸商家の建築様式を伝えていると評価されています。建物内に入ると、当時実際に使われていた秤・樽・枡などに触れることができます。店舗も含めて、台東区指定の有形民俗文化財になっています。

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