人はなぜ『道』を探すのか?庭道への道

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第11回
春と暦

指宿はもう春 (2012年1月)

さあ~春だ~!
そう、雨水(うすい)を過ぎ、3月5日の啓蟄(けいちつ)を迎えれば、春が来る。暦の二十四節気の中の「雨水」とは、水がいくぶんぬるみ始め、雪や氷が溶けて雨水となる毎年2月の18〜19日ころを指し、昔からこの雨水を目安として農耕の準備が始まりました。また、この日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるとされてきました。樹木花では、アセビやアカシア、サンシュウ、スギ、ネコヤナギなどが開花し始めます。
雨水を過ぎて間もなく訪れるのが「啓蟄」です。啓蟄になると、土の中で冬眠していた虫たちが動き始め、穴からはい出してきます。
そして次は春分(しゅんぶん)。そう、3月20日の「春分の日」へと移りゆくがよ。この3日前、つまり3月17日から「春のお彼岸」に入り、春分の日から4日目の3月23日で「彼岸(ひがん)の明け」となります。

平泉の浄土式庭園。極楽浄土の世界を再現している。

彼岸とは、煩悩(ぼんのう)を脱した悟りの境地で、つまり「極楽浄土」(あの世)です。反対に、煩悩や迷いに満ちたこの世は「此岸」(しがん=こちら側の岸)といわれます。

西方に阿弥陀如来(あみだにょらい)を教主とする極楽浄土があるとされていることから、彼岸は太陽が真西に沈む「春分」「秋分」の前後7日間とされ、この期間に仏様の供養をすると、生死の荒波を超え、極楽浄土(あの世)へ到達できると考えられているんよ。そう、これこそが日本庭園の精神の源である。

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