ソムリエのつぶやき

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第55回
日本ワインを堪能

今まで、日本のワインに対して、そんなに良いイメージを持っていなかった私。そんな私が、日本ワインと焼き鳥のマリアージュを楽しむワイン会に参加させていただきました。
会場は、神楽坂にある、「焼鳥 茜」という、まだオープンしたての、ワインと焼き鳥のマリアージュを提案するおしゃれなお店。そちらで、「IZAKAYA VIN(イザカヤ ヴァン)」のソムリエの方によるワインプロデュースでした。

ワインの内容は、
・くずまきワイン ヴィレ リースリングリオン スパークリング2002
・勝沼醸造 アルガブランカ ピッパ2006
・まるき葡萄酒 ラ フィーユ トレゾワ シャルドネ1997
・シャトージュン セミヨン2009
・旭洋酒 ソレイユ ピノノワール2008
・ダイヤモンド酒造 シャンテ ますかっとベーリーA 2009
・ルミエール 光 キュヴェスペシャル 2007
・サントリー 登美 レゼルヴ スペシャルマグナム1997

の8種類でした。

この中で、知っていたのは、わずか3種。まだまだ知らないことばかりです。5種は、初めましてだったのですが、まず、驚いたのは、ここまでそろえていたことでした。ソムリエの方の個人所有のワインを提供してくださったのですが、1997年のマグナムや、トレゾワを保管されていたこと、比較的、日本ワインにしては、ヴィンテージの古いものばかりがラインナップされたことです。

「ソムリエ教本」にも、地のものと地のワインを合わせる・・・とあるのですが、今まで、焼き鳥(日本の地の食べ物)に、日本のワインを合わせたことは、数えられるくらいです。また、シャンパーニュをいただいてしまうので、全て日本ワインを選び、合わせたことはありませんでした。
最初に戴いた、「くずまきワイン」のスパークリングワインは、日本酒のような香りが特徴的で、大吟醸のような、甘さを兼ね備えたワインでした。最近、日本酒でも、スパークリングのものがありますが、まるで、あのような印象を受けました。ですので、日本食のお店では、出しやすい1本だと感じました。プロモーションの仕方も、そのようにすると、さらに和食に合わせやすく感じていただけるのかもしれません。他の和食でも試してみたくなりました!


白ワインで一番気に入ったのは、「アルガブランカ ピッパ」でした。ひのきの枡のような木の香りが漂う、個性的な子でした。ヴィオワインのような酵母の香りもしました。ヴィオワインとは、ビオディナミやオーガニック農法、またはその一部を取り入れた農法で造られたワインという意味で使われており、自然派ワインとも呼ばれているものです。独特な酵母の香りがしたり、ワイン自体に、濁りがあったりします。

赤ワインでは、やはり、「登美」のマグナムが印象的でした。登美自体、とても希少なワインで、しかも、こちら、マグナムでしたので、ワインの存在感がかなりありました。750mlのワインより、マグナム(1500ml)の方がおいしいといわれておりますが、今回もそれは感じました。
ただ、日本のワインの’97です。こちらがボルドーのものだったら、どんなに素晴らしい熟成をしているのだろうかと思いますが・・・。余韻が短く、素晴らしいという感想までには至らなかったように思います。とはいえ、こちらも頑張っていました。少し燻製のような燻した香りの中に、プルーンのコンフィチュールのような甘さを取ることができました。今回は、合わせたお肉が、脂が多くない鶏肉でしたので、お料理に勝ってしまうこともなかったので、やはり、日本のワインには、日本のお食事を合わせるのが良いのだと実感しました。

こちらの焼き鳥は、店名にもありますように「茜鶏(あかねどり)」という、ジューシーですが上品な茨城県産の銘柄鶏を使用しています。その他、お野菜は、季節によって変わりますが、旬のものを出してくださいます。メニューは、お任せのみですが、小鉢やサラダ、前菜などにもこだわっており、店主の愛が感じられます。
ご希望であれば、それぞれのお料理に、ワインを合わせて出して下さるので、和食とワインのマリアージュを、ぜひ、楽しんでみてください!こちらに置いてあるワインは、日本のものばかりではありません。意外な組み合わせも、きっとあることでしょう!

先日、今年のソムリエ試験も一次試験が終わりました。どんな問題が出たのでしょう。この時期になると、自分が受験した年を思い出します。マリアージュの問題も数問出題されます。でも、実際、そのマリアージュが良いかどうかは、教本だけではわからず、試験が終了し、合格発表後、お食事とワインが楽しめるようになってからでないと楽しむ余裕などありませんでした。試験までは、「ワイン」に関する様々な知識を溜め込み、覚えるのに必死だったので、正直、実際に「ワイン」と結びつくまで時間がかかりました。
でも、勉強をしてからは、ワインリストを見るのが楽しくなったり、実際にワイナリーに足を運んで、教本で見たものを手に取り体験してみたり、マリアージュの素晴らしさを知ったり、かなり世界が広がりました。なんでも勉強するとは、そういうことなのでしょうが、大人になってからの勉強って、興味があるから、とてもおもしろいですよね!私も10月に試験を控えているものがあります。1からの勉強になりそうですが、頑張ります!試験を終えた皆さまも、合格して、祝杯が挙げられますように♡

焼鳥 茜(食べログより) http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13196727/

IZAKAYA VIN(食べログより) http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13002063/

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