らくらくわくわく 山野草見て歩き

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第30回
キツネノマゴは名前も花もユニークだ

植物名に動物の名前が使われていることは結構あります。その中でイヌが一番多いのですが、気の毒なことにイヌと名が付けられる多くは役に立たない理由が多くなっています。他の動物でも同じ意味の物もありますが、使われている例が少ないからか良くも悪くもない名前が多いようです。
例えば、ウシハコベは普通のハコベより大きいから牛、トラノオは虎の尾っぽに似ている、シシウドは猪ウドでイノシシのように豪壮で大きいからなどと言われています。

ウシハコベはハコベより大きいから牛

ハルトラノオは虎の尾、ミニ虎ですが…


ただ、キツネの場合は少し違うようで、キツネアザミ、キツネノボタンなどは似ているけど実はキツネが化かしているのだと言われています。確かにキツネは妖しさがついて回る動物で話しも多いし、狐の嫁入りと言う晴れなのに雨がぱらつく怪しい天気を表す言葉もあります。でもキツネノマゴの場合は妖しさではないようです。

キツネノマゴもホトケノザも唇のような唇形花と言われますが…


マメアサガオと比べても小さいキツネノマゴ

花は小さく見栄えしないので一般に感心が薄い花です。花は確かに小さく、一緒に写っていたアサガオが最も小さい部類のマメアサガオで1.5cmくらいですが、これと比較しても小さいのが分かります。ただ、よく見ると個性的な姿をしています。花の形は唇のような唇形花と言われますが、唇形花の代表であるシソ科のオドリコソウやホトケノザと比べるとどこか違います。キツネノマゴは下側だけが目立ち、唇と言うより舌か手すりに掛けた布団のようです。しかも花が穂状の中にあり、まるで麦の中に花が咲いている感じです。



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