松本すみ子の「@シニア」

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第17回
60歳からの歯列矯正

「ほとんど目立ちません」の言葉につられて

相談当日、専門医はあっさり「ああ、この程度なら半年で治りますよ」。内心では「半年もかかるのか」と思いつつ、「でも、ワイヤーが見えるのは困ります。なにしろ人前に出ることが多いので」。すると、そばにいた助手らしき人がすかさず「私も今矯正してるんですよ」と言って、自分の歯を見せてくれました。下唇に隠れていて、ワイヤーをしていることはほとんど気がつきません。先生からは「下の歯の場合は、あまり目立たないので大丈夫」とのご神託。
そんなこんなで、5月半ばから歯列矯正を始めました。
私の場合は、歯のひとつひとつに「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく「ワイヤー矯正」というやり方です。これが最も一般的らしい。
最初にワイヤーを付けた時、先生は「今は違和感だけですが、夜あたりになると相当痛くなります」と言うではないですか。そんなこと聞いてない! 恐れをなした私は、薬局に行って、一番効きそうな痛み止めを選んでもらい、大箱を購入して帰りました。でも、思ったほどの痛みはなし。薬を飲まずに済んで、拍子抜け。
それよりショックだったのは、わが口元と歯を鏡で見たときです。最初なので歯の飛び出しに合わせてワイヤーもガタガタで、なんかグロテスク。四六時中鏡をみては、「見えにくいなんて嘘じゃない、とんでもないことをしてしまった」と後悔したのでした。
しかし、もうしてしまったことは仕方ない。高いお金も払っているし、少しずつ変化していくのを待つしかないかとあきらめの心境。それでも、客先を訪問する、講師をする、友人と会うのは憂うつでした。でも、こういう場合は自分からカミングアウトするに限ります。会う人ごとに最初から「私、歯列矯正していますので、お見苦しい点があれば、ご容赦を」と言うことにしました。

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