松本すみ子の「@シニア」

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第21回
仲良し熟年夫婦増殖中~実態は夫の妻依存症?~

団塊世代の本格退職が本当に始まったんだなあ、と思うこのごろ。というのも、平日・休日を問わず、電車の中やイベントなどで、60代と思しき夫婦の姿をよく見かけるようになったからです。そこは熟年カップル、決して会話が弾むというわけではないものの、着かず離れずという雰囲気からは夫婦であることを疑う余地はありません。
しかし、こうした熟年カップルの場合、どういうわけか、妻が居心地悪そうな顔をしていることが多いのはなぜでしょう。友人や仲間といる時の、あの元気はつらつおばさんという表情に比べ、こころなしか、硬い。一方、旦那のほうは安心しきった顔をして、新聞などを読んだりしています。
今まで仕事中心で生活していた夫には、まだ地域に仲間がいません。どこかに行きたい、何かを楽しみたいと思っても、相手がいない。一人で行くのもつまらないということで、頼みは妻。何かあっても、気の置けない妻なら安心ということで、緩んだ顔をしているのです。
妻は違います。子育てはとっくの昔に終わり、お稽古ごとや地域活動の仲間がいて、高校や大学時代の同級生などとも復活。今までは、そうした仲間といつも一緒に出掛けることが多かったので、実は、夫婦一緒の頻繁な外出は戸惑い気味。特別に話したいことがあるわけでもないしね。せっかく夫が誘ってくれたからと付いてきたということも多いようです。
定年後、夫にとって妻の存在は重要です。仲間が見つかるまでは、妻に頼らざるをえない。それが仲良し熟年カップルの増加と見えるのではないでしょうか。夫が第2の人生の仲間・友人を見つけるまで、妻は辛抱のしどころです。
でも、いつまで経っても夫が自立しなかったら? 私の周りにいる妻から自立しない夫の例をご紹介します。皆様、ご用心!

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