名医に聞く

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第8回
〈肺がん〉 臓器別がん死亡数はトップ ただし、早期発見ならほぼ治せる

確定診断には細胞レベルの診断が必要
近年は胸腔鏡による手術の普及で低侵襲に

診療は問診に始まり、視診、触診、聴診、さらに血液検査、胸部X線検査と胸部CT検査で画像的に病変を確認するなど。喫煙者の場合はこれに細胞診が加わる。痰細胞診検査をするかどうかの基準は、喫煙指数が500~600以上あるかどうか。喫煙指数とは、1日の喫煙本数×年数をいう。

だが、これだけ多くの検査をしても、細胞診以外の方法では「がん」の確定診断には至らない。

がんと確定するためには、細胞もしくはそのかたまりである組織を採ってきてそれを顕微鏡で調べなくてはならい。その確定診断目的の検査には、気管支鏡検査、CTガイド下経皮針生検・細胞診、外科的生検(開胸肺生検、最近は胸腔鏡使用が増加)の3つがある。

気管支鏡検査は、のどから気管支に細い内視鏡を入れ、病巣を確認しながら細胞を採って調べる。喉に局所麻酔剤を効かせて検査を行うため、胃カメラ検査程度の負担で検査ができる。

CTガイド下経皮針生検・細胞診は、CTで病巣を確認しながら皮膚の上から針を刺し病巣の細胞や組織を採ってくる。この検査は、肺を覆っている胸膜に外から小さな穴が開くので、そこから空気が漏れて、気胸という合併症が起こる可能性が10パーセントほどあるため、短期の入院が必要だ。

そして外科的生検は、小手術により直接腫瘍から組織をとり、診断する方法だ。

「気管支鏡検査とCTガイド下経皮針生検・細胞診で大体95パーセント以上は確定診断ができます。しかし、それでも確定しない場合は、外科的生検になります。近年は胸腔鏡という技術が普及して、手術といっても負担の少ない開胸生検手術で診断がつくようになりました。最近はCT画像の精度が向上し、画像上肺がんがほぼ確実ということも判るものが増えてきました。そのような場合には術前の確定診断を省略する場合もあります。しかし、治療方法が手術にならない方の場合には、原則として治療前に確定診断が必要です。」(同)

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