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第17回
〈帯状疱疹〉難聴、失明などの合併症が残ることも 早めの受診・治療開始が大切

治療のポイントは72時間以内の抗ウイルス薬

治療の柱は「ウイルスの増殖」、「皮膚の炎症」そして「痛み」を抑えることの3本。ウイルスの増殖を抑える薬は、ファムシクロビル(ファムビル)、バラシクロビル塩基塩(バルトレックス)など。炎症や痛みに対しては、鎮痛剤や副腎皮質ホルモン(ステロイド)、塗り薬が処方される。また重症の場合には、入院治療が必要なこともある。

「抗ウイルス薬は、ウイルスが少ない早い段階で飲み始め、症状が治まってからもきちんと飲みきることが大切です。理想は、症状が出てから72時間以内に飲み始めることです」(同)

とはいえ、皮膚の症状が出る前は、頭痛や腰痛、耳の病気などと間違いやすいのも帯状疱疹の特徴。皮膚科以外を受診して、まったく違う病気と診断され、治療開始が遅くなるケースも少なくないらしい。 そうした事態を防ぐには、以下の項目を覚えておいてチェックするといい。

1.体の左右どちらか一個所に、ビリビリした痛みや違和感がある
2.痛みや違和感がある部分の痛みが徐々に強まる
3.その部分の強い痛みが4~5日続いている
4.痛みのある部分に赤い発疹がでた

帯状疱疹の兆候を見逃さず、我慢せずに皮膚科を受診しよう。

さらに本田医師は、帯状疱疹の予防として、水ぼうそうの予防接種を受けることも勧めている。アメリカでは50歳以上の人には帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されている。

「日本には帯状疱疹ワクチンはまだありませんが、水痘ワクチンを使えば同じ効果が得られます。50歳以上で多忙、ストレスが多い方やご高齢の方は、注射を打っておくと帯状疱疹になっても悪化を防ぐことができます。ワクチンの効果は約20年です」(本田医師)

名医のプロフィール

帯状疱疹の名医

本田まりこ(ほんだまりこ)

東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 診療部長、教授
東京女子医科大学医学部卒業、東京慈恵会医科大学皮膚科学講座講師、共立薬科大学大学院非常勤講師(兼任)、東京慈恵会医科大学皮膚科助教、東京慈恵会医科大学附属青戸病院皮膚科診療部長等を経て2003年より現職。
※東京慈恵会医科大学附属青戸病院はリニューアルに伴い、2012年1月5日より東京慈恵会医科大学葛飾医療センターに改名。
日本研究皮膚科学会評議員、性の健康医学財団評議員、日本性感染症学会理事、日本化学療法学会評議員、日本皮膚科学会代議員。
おもな著書は、『帯状疱疹・単純ヘルペスがわかる本』(株式会社法研 2004年)。

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