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第25回
アトピー性皮膚炎。正しく治療すればほとんどの人は改善し、病気と上手に付き合えるようになる

幸せの青い鳥は「標準治療」。「特別な治療」はむしろ危険

難治性で治療期間が長いアトピー性皮膚炎は、患者によるセルフコントロールが重要だ。
江藤医師の病院では、治療の3本柱を徹底し、FTU(フィンガーティップユニット)と呼ばれる外用剤の必要十分な塗布量を指導するための教育入院を勧めることもあるという。

いたずらにステロイド薬に対する恐怖をあおり、医学的根拠に欠ける脱ステロイドの治療法を薦める医師や業者の存在に対して、江藤医師は警鐘を鳴らす。

「“幸せの青い鳥”は、身近で標準的な治療法です。アトピー性皮膚炎はそれで改善できます。偽の青い鳥にだまされないでほしい。むしろ、あまりにも魅力的で試したくなるような治療を行う医師は危険ですよ」

名医のプロフィール

アトピー性皮膚炎の名医

江藤隆史(えとう たかふみ)

東京逓信病院 皮膚科部長
1977年東京大学工学部計数工学科卒、1984年東京大学医学部卒。東京大学皮膚科助手、ハーバード大学病理学教室研究員、東京大学皮膚科講師・病棟医長、東京逓信病院皮膚科医長を経て1998年より現職。
専門分野は、アトピー性皮膚炎、乾癬(かんせん)、悪性黒色腫、水疱(すいほう)症。

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