文化とアートのある暮らし

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第7回
~音を織り、織りを聞く 続編~

さて、前回からお送りしております「音を織り、織りを聞く」ですが、織物が弥生時代まで歴史がさかのぼるとは驚くべきでした。
平安京が国策として織物に力を入れ、ジャカード織機の輸入、改良、現代ではコンピュータを導入し、ますます発展していく西陣織の世界は、衣服文化の主流が洋服になった現在にも美しさ、新しさを失いません。

ところで「西陣織」というのは織り方の技法ではなく「西陣」という地域が名称になっているもので、西陣の地域の中でもそれぞれの織匠によって織り方は異なります。
織物は色彩豊かな絵柄が平面で描かれているのとはまた違い、織糸によって織られている立体感を楽しむことができます。織機もかつて人間の手作業によって木で製作していたのですから、当初の仕組みはシンプルであるはずも、機具の仕組みは見事に合理的に考えられていたため、後の時代にやや複雑な織機に発展を遂げ、やがてコンピュータに変わります。この過程は想像を超え、驚くしかありません。

今回、プロジェクトのために西陣を訪ねたのですが、創業は江戸時代後期、安政年間という老舗の藤田織物株式会社さんの帯に感動しました。

「めばえドットn」製織:米津茂氏

ご紹介の写真は刺繍でも編み物でもなく、すべて手織りによって制作されたものです。

若々しく生命力を感じるデザインで、古風ながらも身にまとう人の世代を問わないのではないでしょうか。また、この立体感と図形のようなデザインは、楽譜のようにも見え、音楽を想像してしまいます。どんな音楽が鳴っているかといえば… それを発表するのが今回のプロジェクトですが現在準備中のため、告知できる時を楽しみにしていてくだされば!と思います。

~ここで藤田織物株式会社さんのオフィシャルホームページをご紹介~
http://www.fujitaorimono.co.jp/index.html

伝統と革新の融合
自然との調和、動を織物に
守り、活かす伝統の技
手織り一筋の技を継承していく

ホームページを開くと出てくる、この言葉。
とても素敵で品も感じますね。



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