荒野のエッセイスト(映画編)

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第28回
「人生の特等席」と邦題について

ところが邦題は
「人生の特等席」
これは映画のセリフにも登場する。
ちょっと優等生っぽいのが気になるが、
この映画にはよく似合っている。

日本で公開されたイーストウッドの50本を超す主演作の中で
原題をカタカナに直しただけのものは約半数
(THEや複数のsを抜いたものも含む)
1964年から1970年代前半に製作された
20本弱のイーストウッドの映画の大半に、
日本国内向けのタイトルが付けられている。
良いにつけ悪いにつけあの時代ならではの
工夫が凝らされていて、1971年の
「THE BEGUILED(だまし)」=「白い肌の異常な夜」
「PLAY MISTY FOR ME(「ミスティー」を聴かせて)」=「恐怖のメロディ」
の二本は特に目を引く。
最低なのは1969年の
「PAINT YOUR WAGON(ワゴンを塗れ)」
が何と
「ペンチャー・ワゴン」。
これはヒドすぎる。
訳が分からん。
せめて「ペイント・ユア・ワゴン」にして欲しかった。


「人生の特等席」☆☆☆
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