荒野のエッセイスト(音楽編)

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第28回
木彫りの人形が甦る カウ・ライジャ

ハンク・ウィリアムスは1923年に生まれ、
1953年の元旦にその生涯を終えている。
働きすぎ、歌いすぎからくる過労を
大量の麻薬でまぎらわそうとしたことが原因とみられている。
29才という若さだった。
「カウ・ライジャ」は死の直後に大ヒット。
C&Wの三大要素と言われる単純明快、誠実、哀愁のうち
単純明快をきわめたのが
カーペンタースのカヴァーとしても知られる「ジャンバラヤ」
哀愁をきわめたのが「カウ・ライジャ」ということになる。

ムーンライズ・キングダム

この曲が何と、来年の2月に公開予定の映画
「ムーンライズ・キングダム」で聞くことができる。
しかも2回も!
どちらもサビの直前でフェイド・アウトとなるが。
さすがくせ者のウェス・アンダーソン監督。
「ファンタスティックMr.FOX」では
オープニングにバール・アイヴスの
「デイビー・クロケットの唄」を流していた。
C&Wの使い方がニクイッ!
「ムーンライズ・キングダム」は少年と少女の駆け落ちを描いた作品。
舞台は1965年のアメリカ(ニューイングランド)。
「カウ・ライジャ」のヒットした時代からは中途半端にズレていて、
そこがまたシュールで面白い。
新作に一種のオールディーズナンバーを使うことによって、
逆に新しさが引き立つこともある。
おしるこに少量の塩を入れるのに似ている。
違うか……。

ハンク・ウィリアムス


ここに掲載したのは古いレコードのジャケット。
ハンク・ウィリアムズのものにはなぜか
同じ、または同じようなイラストが使われることが多い。
この際、ハンクのCDを買ってみようかな。

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