コミュニケーション達人への道

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第12回
「叱り」のコミュニケーション ~叱る勇気と叱られる覚悟~

某旅行会社の修学旅行バス手配もれの事件に代表される様に、最近はミスや失敗に正面から対峙できる人が少なくなりました。失敗を恐れるというより嫌がる人が増えてきている印象です。例えば、恋愛においても告白や口説くことは、フラれたり、断られるのが嫌だからやらないとう男性が増えていることとも無関係ではない気がします。

成長する上で一度も失敗しないなんて事はありません。叱られたり怒られたりしながら、力が付き、マイナスな状況からプラスに変えるコミュニケーション力となり、対人関係力が付いて成長していきます。だから幾つになってもどの様な立場になっても叱られる覚悟は必要です。

同時に間違いや危険を伴う行為をする人に対して叱る勇気を持つことも大切です。

最近は笑ってすむ問題ではない事も笑い話にし、ネタにすることで何となくごまかしたり、「自分が口をだす事ではないから」という言い訳のもと見て見ぬ振りをする風潮が高まっていると感じます。
日本人は昔から「和」を重んじ、波風を立たせる事を嫌う傾向があります。その為、注意をする、叱る、指導については、することもされることもどちらかというと苦手です。そして義務教育が相対評価から絶対評価に変わり、時には間違った行為や人を傷つける言動さえも「あなたはあなたでいいから」と個性の一部として許される範囲が大きくなりすぎてしまったことも、叱るのが苦手な人を増やした原因ではないでしょうか。

自分も他人も、人は他人から指摘されないと気付かないことが多く、実は年齢を重ねるごとにそれが増えていきます。子供は両親や先生、周りの大人がことあるごとに叱ってくれますが、大人になるとそういう人はどんどん減っていきます。そして立場が上にいけばいく程、周りから苦言を呈したり、「モノ言う社員」は減っていきます。
だからこそ、年齢を重ねれば重ねる程、叱られる機会がとても貴重なのです。
誰かに苦言を呈された時、瞬間的に「お前に言われたくない」という感情になる人は要注意です。 “裸の王様”になっていないか、振り返ってみる必要があるかもしれません。

ちょっと説教臭くなってしまいましたが今月は「叱り」のコミュニケーションについて2回に分けて解説していきます。

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