江戸の名残を歩く

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第13回
両国の大名庭園を歩く

旧安田庭園全景と両国国技館

この本庄家の庭園は、明治維新により本庄家の手から離れます。岡山藩主だった池田家の所有になったのですが、その後、安田財閥の創始者安田善次郎が入手しました。
明治に入って、大名庭園を買い取った実業家は安田善次郎だけではありません。三菱財閥の創始者岩崎弥太郎も、旧安田庭園から程近い清澄庭園を買い取っています。清澄庭園も、元々は下総国関宿藩主久世家が所有する大名庭園でした。
安田善次郎の死後、この庭園は東京市に寄付されます。大正11年(1922年)のことでした。そのため、旧安田庭園という名称になっているわけです。ちなみに、園内に建つ両国公会堂は安田家が寄付した建物です。
昭和42年(1967年)に旧安田庭園は墨田区に移管され、全面的に改修が施されます。そして、昭和46年(1971年)に在りし日の姿が復元されたのです。

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