江戸の名残を歩く

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第19回
芭蕉ゆかりの深川を歩く

江東区芭蕉記念館

前回は新大橋まで行きました。今回は、新大橋通りを都営地下鉄森下駅方面に少し戻ります。交差点に突き当たったところで道を南に2~3分歩くと、右手に芭蕉記念館が見えてきます。深川は俳人松尾芭蕉ゆかりの土地でもありました。
徳川綱吉が5代将軍となった延宝8年(1680年)に、芭蕉は日本橋から深川に移り住みます。深川の草庵で心機一転、俳諧活動を展開しました。
芭蕉は、深川に移り住んだ時、門人から贈られた芭蕉の株を草庵に植えました。やがて芭蕉が生い茂るようになると、深川の草庵は芭蕉庵と呼ばれるようになります。そのため、それまでの桃青という俳号を芭蕉に替えるようになったのです。松尾芭蕉の誕生です。

江東区芭蕉記念館内の庭園

深川の芭蕉庵から、代表作「古池や蛙飛び込む水の音」が生まれます。奥の細道のスタート地点にもなります。

江東区芭蕉記念館入口

そんなゆかりをもって、江東区は昭和56年(1981年)に芭蕉庵の近くに芭蕉記念館を開館しました。その入り口は、芭蕉庵をイメージしたような木戸になっています。館内には、芭蕉が着用していた袈裟など、ゆかりの品々が数多く陳列されています。句碑も立っています。

江東区芭蕉記念館内の裏木戸を出て、テラスへ
隅田川テラス

記念館の裏木戸を出ると隅田川に面した隅田川テラスが走っており、テラスを5分ほど南に歩いていくと、小名木川と隅田川の合流地点に突き当たります。その突端に、芭蕉像が待ってくれています。

芭蕉庵史跡展望庭園入口
芭蕉庵史跡展望庭園内

この辺りは芭蕉庵史跡展望庭園という区画です。芭蕉像のほか芭蕉庵に関連して造られたレリーフも飾られています。

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