江戸の名残を歩く

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第16回
亀戸を歩く・その1

門前の船橋屋
天神橋

亀戸天神を出て蔵前橋通りに戻ります。江戸のころより、門前でくず餅を売っていることで知られた船橋屋を右手に見ながら歩いていくと、天神橋が現れます。本所が開拓される過程で開削された横十間川に架かる橋の一つです。江戸の町から亀戸天神を訪れる参詣者は、この天神橋を渡って境内に向かっていました。

亀戸銭座の碑

横十間川を右手に見ながら南に歩いていきます。2~3分歩くと、丸い碑が現れます。亀戸銭座跡の碑です。
江戸時代の貨幣は金貨・銀貨・銭貨の三つですが、庶民に身近なのは銅から作られた銭貨でした。銭形平次が投げる銭は、3代将軍徳川家光のころに生まれた寛永通宝で、この場所で鋳造されていたのです。昭和41年(1966年)に当時の日本住宅公団が住宅を建てる際には、数多くの寛永通宝が発見されています。
江戸の名残は、亀戸天神近くの地下にも眠っていたのです。

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