江戸の名残を歩く

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第38回
寅さんゆかりの下谷を訪ねる

入谷鬼子母神の前を走る言問通りから、今度は下谷2丁目に入ります。英信寺を御参りしましょう。下谷七福神の一つ大黒天が祀られています。

英信寺門前

英信寺は浄土宗の寺院です。江戸幕府開府頃の慶長年間(1596-1614)に創建されました。当初は寺号を紫雲院といいましたが、明暦2年(1656)に丹波亀山藩主松平康信の子英信が、若くしてこの世を去ります。松平家はその墓所を境内に造りましたが、英信の木像も同寺に安置します。その由緒をもって、英信と寺号が改められたのです。


小野照崎神社前

同じく下谷2丁目に小野照崎神社が鎮座しています。平安時代の歌人として知られる小野篁を祀る社です。
この神社は、俳優の渥美清さんとのゆかりでも知られています。渥美さんが仕事のない時、禁煙を誓う代わりに仕事が来るようにと小野照崎神社に願掛けして帰宅したところ、映画「男はつらいよ」の主役のオファーの電話が掛かってきたというのです。言うまでもなく、寅さんの役です。そのエピソードが広まり、芸能人が数多く参拝する神社になったそうです。下谷は、寅さんともゆかりのある地域なのです。

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