お取り寄せからみたニッポン

バックナンバー

第19回
兵庫県・播州そろばんで数と親しむ

新しいデザインでそろばんと親しむ

今年の夏には、小野市垂井町に「そろばんビレッジ」がオープンした。これは、そろばん製造販売会社ダイイチが、そろばんの魅力を再発見してもらおうという目的で開設したもの。中は、天井にまでそろばんが取り付けられ、右側面には好きな色の珠を組み合わせてカラフルな「マイそろばん」を作るための材料が並び、左側面にはそろばんの素材と技術を生かした品物が展示されている。

ダイイチのカラフルなマイそろばん

この「マイそろばん」がたいへん楽しい。
これまでのそろばんといえば、黒い枠に茶色の珠が定番のイメージ。ところがここでは枠材に、赤・黄・青・ピンク・ナチュラルの5色、珠はパステルイエローから赤まで11色の色が用意され、それを好きに組み合わせて自分だけのカラフルなそろばんを作ることができるのだ。桁数も9桁、12桁、15桁の3種類がある。ちなみに、9桁は1260円、12桁は1680円、15桁は2100円。こんな自分だけのオリジナルそろばんなら、子供も机の中にいれっぱなしにはしないのではないだろうか。

子供が数の概念を覚えるのに便利な「百玉そろばん」や、親子3代で遊べる脳トレゲームのコーナーもある。木のおもちゃやそろばんキーホルダー、合格お守りそろばんといった、珠やそろばんをモチーフにした商品の販売もある。同社のサイトを見ると、そろばんを応用して作られた「サイコロそろばん」といった知育玩具や、「多段重ね新立体五目並べ」「ロバンゲーム」といった木工製品もたくさん製品化している。

こうしてそろばんのことをいろいろ知っていくと、実用で計算する作業は電卓にとって変わられたとはいえ、数を1や2などの書かれた数字ではなく、物や固まりに置き換えて把握する「数の概念」を培うには、やはりそろばんが秀でているのだなぁ、と理解できる。また、目でみて把握し、指を使って計算するそろばんは、パチパチという珠をはじく音とともに、なんだか楽しいものに思えてきた。
歴史あるそろばんの町から、きっとこれからも新しい数の楽しみ方が生み出されていくのだろう。

●兵庫県小野市
http://www.city.ono.hyogo.jp/


●小野市伝統産業会館
http://densan.onocci.or.jp/


●小野商工会議所 播州そろばん
http://www.onocci.or.jp/occi/trad/soroban/bansyu/index.html

●ダイイチ おのそろばん
http://daiichi.c-syoku.com/index.html


●末廣算盤 播州そろばん
http://homepage3.nifty.com/onosoroban/

コメント