ソムリエのつぶやき

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第19回
時間に無駄のないランス巡り 後編

中でも、衝撃を受けたのは、最古の熟成用のタンクでした。昨今、熟成用のタンクというと、ステンレス製のものが主流で、どこのワイナリーに行っても、大きなステンレスタンクを目にすると思いますが、昔のタンクは、内側が、タイルで出来ていたのです!!しかも、形は、円柱ではなくて、角柱でした。中を覗くと、まるで、バスルームのような感じ。こんなので、ブドウジュースが熟成するのかと疑問を持つほどでした。ワインに興味がある方には、こちらのカーヴは、とても面白いところだと思います!
こちらの見学料は、テイスティング1杯込みで15ユーロほどでした。3人で参りましたので、1杯ずつ、ノンミレジメ(ノンヴィンテージ)のブリュット、 2006年のブリュットとノンミレジメのドゥミセック(中辛口)の3種類を頂きました。中辛口といっても、ドゥミセックは、少し甘いので、普段はほとんど頂かないのですが、この時は3人とも、疲れてきて糖分を欲していたのか、ドゥミセックが一番美味しく感じていたのには、私自身もびっくりでした。
ふと、時計を見ると、16時半。予定している電車まで、あと1時間強でしたので、乾杯できないでいるシャンパーニュに後ろ髪を引かれつつも、「G.H.マム」を後にしました。

このあとは、メゾンの中まではお邪魔できなかったのですが、「ルイロデレール」「クリュッグ」「ジャカール」「シャルル ド カザノーヴ」の4つを、指を咥えつつ、外から見学し、次こそは、これらのプライベートメゾンを観に来ようと誓いました。
とにかく短時間で動き回ったランスの街は、3つのメゾンのカーヴ見学をし、6つのメゾンを外から見学。結果、わずか6時間で計9つのメゾンを巡る旅となりました。色々な運に恵まれましたが、我ながら、こんなにもスムースに複数のメゾンを巡ることができたことに大満足。次回は、プライベートメゾンに加え、ブドウ畑にも行ってみたいと胸を膨らませるのでした。
百聞は一見にしかず。この経験がまたひとつ、ソムリエ教本のページを「点」から「線」に変えてくれたのでした。

ランスに行かれる際には、時間に無駄のない、んーー、少し忙しいメゾン巡り、参考になさってください!笑

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