『ものづくり』からできること

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第14回
重箱や枡からみる『四角』

みなさま、良い年をお迎えでしょうか。(今回は正月の真っ只中で書いてます。)普段、和洋折衷の日本も正月となれば、まだまだ伝統的な文化が色濃く残っていることが分かります。テレビ番組でも着物姿が当たり前で、何の違和感も無く私たちはそれを目にします。しかし、日本の正月も時代と共に少しずつ現代的に変化しているのも事実です。世の中の流通が発展したことにより、元旦から店が営業していてとても便利になりました。昔の正月はどこの店も閉まっていたため、年末に食材の買出しやお節の準備で大変だった記憶があります。(もっとも、私は子供でしたが。笑)実際はそう言いながらも、それが新年を迎えるひとつの行事で楽しかったものです。そういえば、正月遊びである羽子板、凧揚げ、こま回し、かるたなど、今は見ることが少なくなりましたね。みなさんの周りではいかがでしょうか?時代の流れで仕方ないのでしょうが、少し寂しい気もいたします。

さて、新年を迎えてこの三が日、食べて呑んでが続きます。テーブルの上には普段とは違う料理が所狭しに並んでいるのも正月ならではです。中央には重箱が広げられ、彩り豊かな料理が詰まっています。お酒を口にする人には枡酒で新年を祝う方もいらっしゃるでしょう。四角いテーブルの上には、四角い重箱があり、そのまわりには四角い取り皿、手には四角い枡。正月の御挨拶には大人数で食を囲むため、テーブルには器がギッシリとなりますが、無駄なスペースがなく並べられた料理には感心するばかりです。この「四角い○○」がその役割を果たしているこれこそがデザインの重要なポイントになるのです。

マトリョーシカ式に発想するとこんな感じになります。
※マトリョーシカ:ロシアの木製人形。形状はボウリングのピンに似ており、体中央から上下に分かれ、中から同じ形のひと回り小さい人形が出てくる。その繰り返し。(=入れ子式)
四角い家 → 四角い間取り(部屋)→ 四角いテーブル → 四角い食器

何故、四角いのでしょう?また、初めの部分の「四角い家」がもし「丸い家」だったらどうなると思いますか?(上から見ての形状を指します。=平面図)

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