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第29回
ヒナスミレのヒナって鳥のヒナ?

ヒナと雛

スミレさんの言っている事はある程度当たっています。ここでのヒナとは「小さくてかわいい」と言う意味ですが、元々は生まれたての幼鳥を意味していました。ヒナは漢字で書けば雛祭りの雛です。雛の右側は隹(ふるとり)で、漢字の部首ですが、「とり」と読んで尾の短い、又は小さな鳥を表す漢字でもあります。そして左側の芻は包まれた草を重ねる意味があり、重ねて小さくした意味となるそうです。そして日本ではヒナがちっちゃく愛らしいことから雛が「小さくかわいい」と言う意味にも使われるようになったと言います。お雛様にはそんな意味も込められているようです。


お雛様は小さくかわいいお人形

鳥のヒナも小さくてかわいい

@スミレ: ほらっ、やっぱり元々はひよっこだったのよ。
@ショウマ:だけど、雛何々だったら小さくかわいと…。
@スミレ: えっ! 何か言った?
@ショウマ:いや何も…。確かに(半分だけど…)当たっているね。

ヒナスミレがかわいいのは大きさと言うよりその名と色にあると思います。スミレの色と言えば紫ですが、これはピンクなので優しくかわいらしい感じがするのでしょう。大型のサクラスミレがスミレの女王と呼ばれるのに対してヒナスミレはスミレのプリンセスだと表現している図鑑があるのも頷けます。


スミレの花の色と言えば紫

ヒナスミレはピンク色

@ショウマ:スミレのプリンセスか、いい響きだね。
@スミレ: まあ、だけど花のかわいいだけが取り得ってことよ。葉っぱなんかへんてこりん、ネズミの顔みたいで面白いんだから。
@ショウマ:アハハ、そう言うことはよく思い付くね。


特徴あるヒナスミレの葉

ネズミの顔は別にしても、ヒナスミレは葉にも特徴があります。スミレの葉は長細いものや丸いものが多いのですが、これは葉の上部中央にU字形または壺型のようなくぼみがあり、左右に丸い耳があるように見えるユニークな形をしています。また、ヒナスミレを葉の違いによって、この葉のように筋が白く目立つものをフイリヒナスミレ、筋が緑のままをヒナスミレと細かく分ける場合もあるようです。

スミレは全国的に分布する、とされるものであってもどこでも見られるというわけではなく、局所的に点在しています。そして地域が限られたスミレの多くが絶滅の危機に瀕しているとも言います。春にはスミレがどこでも楽しめる、そんな環境になってほしいですね。

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