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第35回
ヒダカミセバヤは日本の多肉植物

変わっている植物の中でも人々から愛され、育てられているものと言えば多肉植物とサボテンでしょう。えっ? 多肉植物とサボテンって同じものじゃないの?と言われそうですが、同じではありません。サボテンには棘があり、多肉植物には棘が無い? などと言われることもありますが、本当の違いは分類の考え方そのものが違う事だと言えます。

ヒダカミセバヤはピンクのカワイイ花ですヒダカミセバヤはピンクのカワイイ花です


葉が終わりかけても葉が厚いヒダカミセバヤ葉が終わりかけても葉が厚いヒダカミセバヤ


サボテンとは植物分類の一つの区分で、親戚系統を基本とした学術的分類です。多肉植物は親戚かどうかには関係なく、仲間ではなくても性質の似たもの、具体的には葉や茎に水分をため込んだものを総称してそう呼んでいます。もちろん、サボテンもその中に入ります。


園芸品の多肉植物はより厚く5mm以上あります園芸品の多肉植物はより厚く5mm以上あります

日本にサボテンの仲間はなく、多肉植物なら幾つかあります。ヒダカミセバヤはその一つで、親戚のミセバヤより小型で花の色は鮮やかです。ヒダカは日高、北海道の日高地方特産からその名がつきました。
普通の葉は厚さを測ってみると0.3mm以下でしたが、ヒダカミセバヤの葉は厚く、この時期でも1mm前後ありました。


ヒダカミセバヤの子房は花の色と同じピンクですヒダカミセバヤの子房は花の色と同じピンクです

花は星型の濃いピンク、そして中央には同じくピンクの子房(種が出来る)が仲良く5つ並んで、何かの果物みたいです。ピンクの子房ってあまり見たことがありません。普通は緑色なんでは?と思い、いろいろな花の写真を見返して見ました。

標準的な緑の子房標準的な緑の子房


確かに緑のものが多いのですが黄色や白のものもあり、中には子房が見えていないものが結構あるので、本当にピンクが少ないのかどうかは何とも言えません。
何故ピンクなのかは花に聞かないと分かりませんが、そのおかげで花が小さくても全体として遠くからでもはっきりと認識出来ることは確かです。


黄色のものもあり

白いものもある(後に緑っぽくなりますが)


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