らくらくわくわく 山野草見て歩き

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第7回
ミズバショウと不動明王

6月は梅雨のイメージなのが、いつ頃からか変な季節になり、今年も5月下旬から6月初めは真夏の感じで次は豪雨もあって梅雨と言うより、気候変動と言った方が似合いそうですが、それでも花は従来の季節感を与えてくれます。その辺ならアジサイ、近くの山ならツツジ、もっと標高の高い所ではミズバショウが6月を感じさせます。ミズバショウは北海道や本州の北の方でも見られますが、何と言ってもミズバショウと言えば尾瀬でしょう。

尾瀬のミズバショウ
尾瀬のミズバショウ

尾瀬のミズバショウが有名になったのは比較的最近で-と言っても60年以上前ですが-1949年に「夏がくれば思い出す…」で始まる「夏の思い出」という歌が発表されてからです。作詞者の江間章子さんは、昭和19年に訪れた尾瀬のミズバショウを「見える限り咲いていた」と表現されているので、今より圧倒的に多く壮観だったようです。

最近数が減っていると言われるのは気になります
最近数が減っていると言われるのは気になります

歌では夢見て咲くミズバショウですが単独で見ると、美しいというより変わった花に見えます。近づくと意外に大きく、初めて見るときがただ一つだったとしたら、不思議・風変わりの方が合っているような花です。それもそのはずザゼンソウと同じサトイモ科の親戚で、色白だったからよかったものの、他の色だったら結構不気味だったかもしれません。

ミズバショウの白い仏炎苞

ザゼンソウの赤い仏炎苞


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